事事関心! 仏閣探訪:
[ 千葉県成田市/成田山新勝寺 ]
千葉県成田市/成田山新勝寺         2012/01/26(木)新規

 正月飾りを納めに成田山新勝寺へ初詣に出掛けた。
 成田山新勝寺は関東三大不動(成田不動尊、高幡不動尊、不動ヶ岡不動尊)の一つで、"成田のお不動様"として親しまれている。 寛朝大僧正が天慶3年(940)に開山した真言宗智山派の大本山である。 天慶二年(939)、寛朝大僧正は京都高雄山神護寺護摩堂の弘法大師作の不動明王像を奉じて東国へ下り、翌天慶三年平将門の乱平定祈願のため、下総国公津ヶ原で不動護摩の儀式を行った。 新勝寺はこの天慶三年を開山の年としている。

寺名: 成田山 金剛王院 神護新勝寺
宗派: 真言宗智山派
寺格: 大本山
本尊: 不動明王(大聖不動明王)
創建: 天慶三年(940)
開基: 寛朝僧正
住所: 千葉県成田市成田1番地
アクセス: JR成田駅、京成成田駅から徒歩10分。

【履歴】
・2012/01/26(木): 01/25(水)参拝。

表参道 

 上町地区の表参道には、歩道と車道を分ける役目をになう十二支の石像が子から順番に道の両側に置かれている。 さらに、所々に亀の石像もあった。 また、電線地中化が行われており、その分歩道が広めになっていて快適にブラブラできた。














大野屋

 仲町の下り坂は午後3時までは車両進入禁止になっており、人混みをかき分けながらも安心してお店を冷やかしながらブラブラできる。
 途中にある市の文化財指定の望楼を持つ四階建ての食事処「大野屋」の建物がひと際目立っている。
 元々大野屋は、成田山新勝寺に納める蝋燭屋だったが、参拝者の「成田に宿泊する場所が無い」との声から「旅館業」を始めたと云う。 この頃、成田では門前仲町にて「江戸出開帳」、「市川團十郎公演」が行われ、御利益を求めて江戸を始め周辺一帯から信者や参拝客が沢山訪れた。
 現存する建物は昭和十年(1935)に建て替えられた4階建ての木造建築である。

総門 千葉県成田市成田1


総門

 成田山新勝寺では、平成二十年に開基1070年祭記念大開帳が行われた。 これにあわせて、平成十九年十一月には総欅造りの総門が落慶され、新勝寺の表玄関として荘厳な佇まいを見せている。


仁王門 【重文】

仁王門

不動明王像

獅子山の獅子

 総門を潜り境内に入ると参道の階段があり、その上に大きな赤い提灯のある仁王門がある。
 仁王門は天保二年(1831)に再建された。左右には密迹金剛・那羅延金剛、裏仏には広目天・多聞天が奉安され、境内入口にあって伽藍守護の役目をしている。 門の手前には仁王池(放生池)、獅子山がある。

大本堂、三重塔、一切経堂、鐘楼 


大本堂

三重塔

一切経堂

鐘楼

 仁王門から東海道五十三次にならった53段の石段を上がると、成田山のシンボルである大本堂のある境内が拡がっている。 大本堂では、開山以来毎日欠かさずに御護摩祈祷が厳修されおり、一般人でも大本堂の内陣で参拝出来るので、私達も一時心静かに参拝した。
 三重塔は成徳二年(1712)建立の25m高の塔で、塔内には五智如来を奉納し周囲には「十六羅漢」の彫刻が巡らされている。 又、雲水紋の彫刻をほどこした各層の垂木は1枚板でつくられた珍しいものだ。 開基1070年祭にあわせて周囲の修復が行われ、建立された200年前と同じ鮮やかな極彩色の姿によみがえっている。

額堂 【重文】

額堂

成田屋・七代目団十郎像

青銅製大地球儀

 額堂は文久元年(1861)の建立だ。信徒が奉納した額や絵馬をかける建物で、近世における庶民信仰を表す代表建築の一つである。 堂内には、「成田屋・七代目団十郎像」や「青銅製大地球儀」(明治40年)等がある。


光明堂 【重文】

光明堂

 光明堂は江戸時代中期の元禄十四年(1701)の建立で、約15m高の旧本堂である。 本尊として真言密教の教主である大日如来が奉安されている。


開山堂 

開山堂

 開山堂は昭和十三年に成田山開基千年記念事業として建立された。総桧作りの堂で、開山寛朝大僧正のご尊像を奉安している。 また堂内には歴代先師の御影が掲げられている。 平成十年の成田山開基1060年・開山寛朝大僧正千年御遠忌の記念として格天井に松尾榮画伯により、華麗なる百華図が描かれた。


平和大塔 

 平和大塔の中を拝観する際、土足禁止なのでビニール袋の下足袋が用意されていたが、中国人と日本人の習慣の違いに少し驚いた。 私たちは下足袋に靴を入れて手持ちだが、彼らは下足の上にビニール袋をかけて縛りそのまま上がっていた。 ハイヒール等袋が破れやすい場合はどうするのだろ?と余計なことを考えてしまったが、ある意味合理的ではあると思った。


平和大塔

明王殿(2F)-不動明王像

 平和大塔は1984年の建立境内最奥に建つ、鉄筋コンクリート造り、高さ58.1mの多宝塔形の仏塔だ。 外観は二重塔だが、内部は5階建てになっている。 塔の基壇部分にある1階は霊光殿で、大塔入口と写経道場のほか、絵馬などの文化財が展示されている。 2階は明王殿で、不動明王を中心とする五大明王の巨像を安置し、昭和曼荼羅、真言宗祖師伝などの絵画で荘厳に飾り付けられている。 3階・4階はそれぞれ経蔵殿、法蔵殿で、信徒が奉納した不動明王の小像が多数安置されている。
 堂内の拝観が終わり、お堂を出ると丁度僧侶の移動行列が行われるところに出くわした。 平和大塔から光輪閣へ戻るようだ。10名程の鮮やかな法衣を纏った大導師や職衆が行列をなしていた。 一つの仏教文化の華やかさを垣間見ることが出来たひと時だった。

釈迦堂 【重文】



 釈迦堂は,安政五年(1858)の建立で、以前の本堂にあたる。 釈迦如来・普賢・文殊・弥勒・千手観音の四菩薩を奉安している。 総欅作りの御堂の周囲には五百羅漢や二十四孝の彫刻がはめこまれ、江戸時代後期の特色をよく残している。


太師堂、弁財天堂 

太師堂

弁財天堂

 太師堂は明治二十一年(1888)に再建された。 平成十八年にこの地へ移転され、後方に位牌堂を増築した。 中央に弘法大師、右に理源大師、左に興教大師、また、当山(新勝寺)の先師及び有縁の霊牌を祀っている。
 弁財天堂は元禄年間の建立と寺伝にある。成田山の弁財天は財福・智慧・音楽を司る仏として信仰をあつめている。

あとがき

 帰りは京成電鉄にて終点の上野まで行き、東京から東海道線を利用することにした。 この経路だと全てJR利用に比べ片道390円安く済む。 表参道を通り、お土産を物色しながら京成電鉄成田駅へ向かう。
 冬の夕暮れは早いもので、上野に着いたときはもうどっぷりと暗闇の街になっていた。 今回は、何とは特定できないが何か物足りなさが残った遠出の一日だった。


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