事事関心! 仏閣探訪:
[ 神奈川県鎌倉市/英勝寺 ]
神奈川県鎌倉市/英勝寺           2019/01/09(水)新規
探訪案内

 JR横須賀線「鎌倉」駅で下車し、西口から線路沿いの道を北方向へ進み、丁字路にて左折する。 折れた道を進み十字路に出たら右折し今小路を暫く直進する。 途中、右手に巽神社、さらに進むと左手に八坂大神、寿福寺があり、その先200mほどの処に英勝寺がある。(徒歩12分)
 徳川家康の側室で大田道潅四代の太田康資息女とされるお勝の方は家康の死後は落飾して英勝院と称したが、その後、三代将軍家光より父祖の地である扇ガ谷の地を賜り、英勝寺を創建した。
 英勝寺は、もと太田道灌の屋敷跡で現在、鎌倉唯一の尼寺である。

寺名: 東光山 英勝寺
宗派: 浄土宗
本尊: 阿弥陀三尊像
創建: 寛永十三年(1636)
参観: 300円
住所: 鎌倉市扇ガ谷1-16-3
交通: JR横須賀線「鎌倉」駅下車、西口より徒歩12分

【履歴】
・2019/01/09(水): 01/09(水)参拝。

総門 



 今はここ総門は閉鎖されており入れない。塀に沿って道を進み、60m先の通用門から境内に入る。


山門 【重文】



 山門は、寛永十九年(1642)に死去した英勝院を弔うため寛永二十年(1643)に建立された。 禅宗様三間二重門で、建造当時の状態を良好に保っており大変貴重なもの。上層には釈迦如来と十六羅漢像を安置する。
 関東大震災後売却され鎌倉市小町の私有地に移築されたが、2011年、旧部材を用いて復興された。

仏殿 【重文】

仏殿

扁額「」

本尊:阿弥陀三尊像

 仏殿は方三間、裳階付の禅宗様の仏堂で、屋根は寄棟造、瓦棒銅板葺きである。 棟札には寛永十三年(1636)に英勝院が建立とあるが、殿内梁牌には「寛永二十年八月 正三位権中納言源朝臣頼房敬立」の銘があり、当初英勝院が建立し、これを徳川頼房が現在の形に改築したものと考えられる。 扁額は後陽成天皇の弟である曼殊院良恕法親王の揮毫。粽(ちまき)付きの円柱、貫(ぬき)の多用、詰組の組物、桟唐戸、花頭窓、石敷きの床など本格的な禅宗様である。 ただし、屋根の隅棟や軒先の線に反りがなく、屋根の形を直線のみで構成するのは独特の意匠である。 軒下の蟇股は十二支の彫刻で飾られている。 堂内は身舎小壁に瑞鳥、天井に迦陵頻伽の彩絵を施すほか、水戸徳川家の三つ葉葵、太田家の桔梗などの装飾が施されている。
 仏殿は、山門に面した正面の小窓を開けて、御本尊や内部の装飾を見ることができる。中にある黄金色に輝く阿弥陀三尊像は美しく、また、天井や壁には天女や雲龍の彩絵がある。

鐘楼 【重文】



 入母屋造、瓦棒銅板葺き。 近世の鎌倉では唯一とされる袴腰形式の鐘楼で、梵鐘は寛永二十年の林羅山撰文の銘を持つ。


書院 



 境内奥、裏山に近い静かな高台に書院と竹林がある。 書院では、毎年5月はGW期間には白い藤が咲き誇り、お茶席が設けられる。


竹林 



 書院の左隣には竹林が広がっており、散策路が竹林の中に設けられているので竹林の中に入り雰囲気を楽しめる。
 此処には代々の姫君の住まいがあったといわれている。

観音堂、太子堂 

観音堂

聖観菩薩像

太子堂

太子像

 山門左手山側の切り立った崖の前に観音堂と太子堂がある。

祠堂 【重文】

祠堂門


 祠堂門は平唐門、銅瓦葺きの祠堂に至る石段下の小門で、祠堂と共に江戸初期建立と考えられる。 欄間には精巧な牡丹等の透彫りが施されている。
 祠堂は宝形造、銅瓦葺き、方三間。英勝院の位牌を祀る建物で、徳川頼房の子、徳川光圀によって建立されたと言われる。 内外は日光東照宮を思わせる鮮やかな彩色装飾が施されている。 現在、祠堂は保護のため外側をさや堂によって覆われている。


あとがき

 訪問した時には参拝する人も少なく、静かに散策できた。

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