京急線「弘明寺」駅が寺の直ぐ裏手にあり、下車徒歩約2分と近い。
また、横浜市営地下鉄「弘明寺」駅からの場合は、約350mの弘明寺商店街アーケードで繋がっており、門前町の賑わいが保たれているので、参拝の行き帰りに土産物など買い求める楽しさもある(下車徒歩約5分)。
寺伝によると、養老五年(721)にインドの僧・善無畏が当地に結界を創り、天平九年(737)に行基が観音像を刻んで一宇を建立したと伝えられ、行基を以って開基としている。
坂東三十三箇所観音霊場の十四番札所として信仰を集め参拝者で賑わっていたと云う。
寺名: 瑞應山蓮華院 弘明寺
宗派: 高野山真言宗
建立: 天平九年(737)
開山: 行基
本尊: 十一面観世音菩薩像【重文】
札所: 坂東三十三観音 第14番、武相不動尊 第18番
住所: 横浜市南区弘明寺町267番地
アクセス: 京急線「弘明寺」駅下車、徒歩2分。
【履歴】
・2012/12/20(木): 12/19(水)散策。
脱帽し左手に持って仁王門を潜る。直ぐ右手に六地蔵が並び迎えてくれる。 左手には仏事受付やお札を売る社務所がある。
仁王門 |
扁額「瑞應山」 |
仁王門は、江戸時代に再建されたもので平成十四年(2002)に改修工事が行われた。
「瑞應山」の扁額は徳川幕府に仕えた書家佐々木玄竜の書である。
金剛力士像【横浜市指定有形文化財】 |
仁王像は、13世紀後半、早期運慶を尊守した鎌倉仏師の作で神奈川県下に遺る最古の中世作だ。平成十三年(2001)に修理が行われている。
身代地蔵菩薩 |
山門を潜り、参道の階段を上り始めの左手にあり、参拝者が足を止め祈願している。
平成13年6月(2001)、京浜急行電鉄会社設立100周年を記念して、全ての人々の病気平癒、身体健全を祈願するため奉納された。身体の悪いところと同じ場所をタオルやハンカチでさすり祈願することで、自身や家族の身体を癒してくれると云う。
七ツ石 |
善無畏(ぜんむい)三蔵法師が渡来の際、当山の霊域を感得し、陀羅尼(だらに)を書写して結界を立てた霊石とのこと。 「尾りょ石」と刻してある「尾閭石」や大黒天の袋に似ているので名付けられた「福石」がある。
鐘楼堂 |
梵鐘【横浜市指定有形文化財】 |
現在の鐘楼堂は平成十年(1998)に改修された。
梵鐘は、鋳銅製の和鐘で江戸時代中期の寛政十年(1798)、阿闍梨(あじゃり)秀光が願主となり再々造したもの。江戸神田に住む西村和泉守藤原政平という鋳物師の作で、川崎大師平間寺の梵鐘も同人の作だ。
本堂 |
本尊:十一面観世音菩薩像【重文】 |
参道の階段を上りきった正面に建つ。本堂入口の右手に手水舎があり、まずここで手を清め本堂へ入りまず軽く一礼後賽銭を投じ参拝する。
本堂内はほとんど何があるかわからないぐらい薄暗かった。
寛徳元年(1044)3月10日、光慧上人により本堂が建立され、開山された。
現在の本堂は、明和三年(1766)に智光上人により再建されたものだ。光慧上人が建立した時の古材であるチョーナ彫の床板などが使用されている。
昭和五十一年(1976)に茅葺から銅板葺に改修された。(間口6畳半、奥行き6間一尺)
観音像など秘仏とはなっているが、本尊の十一面観世音菩薩像は内陣参拝で拝観(有料)できる。
紹介した建物以外には、参道の階段を上りきった左手の閻魔像がガラス戸越しに観られる大師堂、さらに奥の高台に弘法大師が回国の際、この地に不思議な力を感じて聖天(大聖歓喜天)を彫り安置し、一千座の護摩を焚いて庶民の幸福を祈願したとされる聖天堂がある。
寒さが一段進んだためか、参拝者はちらほらとしかおらず、ゆったりした気持ちでブラブラ出来た。
次回は、縁日等賑わいのある時に来てみよう。