JR横須賀線「鎌倉」駅東口から、京急バス「太刀洗行き」/「金沢八景行き」/「ハイランド行き」の路線に乗車し、「浄明寺」バス停で降りる。報国寺はこのバス停から徒歩3分ほどの処にある。
報国寺は、鎌倉の中でも北東に位置し、自然豊かな環境の中に佇む寺院で、古くから境内の数千本の孟宗竹林で知られている。
この寺は、臨済宗建長寺派の禅宗寺院で、淨妙寺中興の足利貞氏の父・家時(足利尊氏の祖父)が開基である。
夢想国師の兄弟子・天岸慧広(仏乗禅師)の開山で建武元年(1334)に創建された。
永享の乱(1439年に起きた足利持氏の室町幕府将軍・足利義教への反乱)で関東公方・足利持氏は敗退し、永安寺で自刃した時、その長子・義久もこの寺に入って自刃した悲劇の寺である。
寺名: 功臣山 報国建忠禅寺(報国寺)
宗派: 臨済宗建長寺派
建立: 建武元年(1334)
開山: 天岸慧広(仏乗禅師)
本尊: 釈迦如来像【市指定重要文化財】
札所: 鎌倉三十三観音霊場第10番、鎌倉十三仏霊場第8番(観音菩薩)、東国花の寺百ヶ寺鎌倉5番
拝観: 無料、但し「竹の庭」200円
住所: 鎌倉市浄明寺2-7-4
アクセス: JR鎌倉駅東口からバス15分、「浄明寺」バス停より徒歩3分。
【履歴】
・2012/05/10(木): 05/04(水)散策。
山門 |
「報国建忠禅寺」標石 |
綺麗に整備された石畳の参道を進むと山門のあたりには木々が生い茂り、深く影を落としていた。 更に、山門を潜り境内に入ると参道の両側に眺めの良い景色が続き心地よく心を癒してくれ、本堂までの道すがらを楽しませてくれる。
参道右側の石段を登ると本堂がある。本堂は南北朝時代の建立である。
本尊の釈迦如来坐像(木像、市重文)、 聖観世音菩薩像(木像)、 佛乗禅師像(木像、市重文)がが祀られている。
其の他数多くの文化財があるが、殆どは現在、鎌倉国宝館に所蔵されている。
本堂の右手には迦葉堂がある。
本堂の左手に茅葺きの鐘楼がある。大正時代の関東大震災までは本堂も茅葺きだったという。
竹林 |
やぐら |
報国寺裏にある竹庭は、休耕庵という報国寺塔頭の跡である。
開山の天岸慧広死後、門徒が開山塔として作ったものだ。約2000本の竹が作り出すシンプルな景色に癒される。
庭を取り囲む丘陵にはやぐらがいくつか見られる。これらのやぐらは報国寺の開基である足利家時や永享の乱で自刃した足利義久のものだと考えられている。
やぐらの中には多数の五輪塔が置かれている。
観音像 |
散策路 |
報国寺は鎌倉三十三観音霊場の第10番、鎌倉十三仏霊場の第8番(観音菩薩)である。
本堂までは参拝無料だが、「竹の庭」に入るには拝観料(200円)が必要だ。でも、この「竹の庭」が有名なお寺なので払っても入らないわけにはいかないよな―。