称名寺は、空海(弘法大師)所縁の寺で"今泉不動"の名で知られている。
かつては初め不動堂の別当で円宗寺と称されていた。
鎌倉時代には密教寺院とし、頼朝も深く信仰していたが、その後すっかり荒廃してしまっていた。
しかし、貞享元年(1684)に直誉蓮入が再興した。
江戸時代に芝増上寺の貞誉大僧正から山号寺号を与えられ、浄土宗寺院としての基礎が確立され「称名寺」とされた。
寺名: 今泉山 一心院 称名寺
宗派: 浄土宗
本尊: 阿弥陀如来
建立: 元禄六年(1693)
開山: 寂心法師
住所: 鎌倉市今泉4-5-1
アクセス: 大船駅から江ノ電バス「鎌倉湖畔循環」に乗車し、「今泉不動」バス停にて下車(15分)。
バス停より進行方向に徒歩8分。
六地蔵 |
本堂 |
扁額「一心院」 |
左手に駐車場を観ながら緩やかな参道を進んだ先にある掘割の左側に鼻高地蔵を始め一列に並ぶ六地蔵が迎えてくれる。 掘割の先には少し広い境内があり、左手手前に庫裡、その先にまだ新しさの残る本堂(平成二十五年再建)が建っている。
本堂の先に並んで建つのが弁天堂だ。武州深川の直誉蓮入という僧が江ノ島の弁財天からお告げを受け、この寺で祈祷を行ったところ、石造の大黒天像の俵からコメがこぼれ出し、以後、参詣者が跡を絶たなくなったという。 蓮入と村人は、お礼に不動堂と阿弥陀堂を建立したという。
不動堂 |
扁額「不動尊」 |
本尊「不動明王立像」 |
弁天堂の先に苔むした階段が続いている。不動堂へと続く階段だ。
今泉不動と云われる不動堂は弘化九年(818)頃空海の創建と伝えられている。不動堂には鎌倉幕府の歴代将軍が信仰したという不動明王が祀られている。
女滝 |
男滝 |
壁窟の不動尊像 |
"陰陽の滝"には、次のような伝説がある。
諸国を遍歴していた弘法大師が、紫雲たなびき金色の光に包まれたこの地にやってくると、白髪の男女の仙人が現れた。
仙人たちは、大師に不動明王の像を彫るように命じ、大師はすぐに像を彫り上げた。
すると、再び仙人が現れ、「この土地は水が少なく、人々が困っている。水が出るように明王に祈りなさい。」と告げた。
そこで、大師は岩肌に二つの穴を穿ち、村人とともに三日の間祈ると、穴から水が湧き出し、二本の滝になったという。
三十六童子像 |
不動堂の右手背後には、三十六童子像が置かれて、さらにその奥には石造の大日如来像が置かれている。 大日如来は不動明王のもうひとつの姿であり、童子は菩薩に従う人々を表したものという。
平日午前の為か自分以外に参拝者無し。裏山にある鐘楼は通行止めの為見学できていない。