事事関心! 仏閣探訪:
[ 神奈川県鎌倉市/常栄寺 ]
神奈川県鎌倉市/常栄寺           2018/01/12(金)新規
あらまし

 本覚寺前で夷堂橋を渡り、妙本寺の前を通り小町小路を南へ向かって歩いていくと、暫くして「ぼたもち寺」の赤い山門が道の左手に建っている。
 源頼朝が由比ガ浜における千羽鶴の放鳥を遠望するため、山上に桟敷を作った地に、慶長十一年(1606)、比企谷・池上両山十四世自証院日詔上人が建立した寺。"常栄寺"は、印東次郎左衛門の妻で、「桟敷の尼」と呼ばれた妙常日栄の名前に由来している。
 鎌倉時代、この地に住んでいた「桟敷の尼」が文永八年(1271)に、日蓮上人が瀧の口法難にあって龍ノ口刑場(藤沢市片瀬)へと護送されていく際に「胡麻入りのぼた餅」を捧げ、このぼた餅のおかげか首切りの難を逃れたという伝説から「ぼたもち寺」と呼ばれている。

寺名: 彗雲山 常栄寺
宗派: 日蓮宗
本尊: 三宝祖師
創建: 慶長十一年(1606),開山は日詔
参観: 無料
住所: 鎌倉市大町1-12-11
アクセス: JR横須賀線「鎌倉」駅東口より徒歩10分

【履歴】
・2018/01/12(金): 2012/05/24(木)探訪

山門 



 狭小の寺院にしては鮮やかな朱色の冠木門である。その門扉には、家紋の「橘」(日蓮宗の寺紋)と「笹竜胆」(源氏の家紋)が飾られている。 更に、門の上部には常栄寺の由緒を塚本柳斉が詠んだ「これやこの 法難の祖師に 萩のもち ささげし尼が すみにし所」という句が刻まれている。


本堂 


 本尊:三宝祖師をまつる。また、法難の祖師を描いた絵等が置かれている。


桟敷の尼夫婦の墓 

桟敷の尼夫婦の墓

開基[日祐法尼]の墓

「ぼたもち寺」板碑

 桟敷の尼は、文治三年(1187)に生まれ。比企能員夫人の妹という説がある。 文永十一年(1274)十一月十二日死去。 夫は六代将軍宗尊親王に仕えていた印東次郎左衛門尉祐信という人物で、材木座の實相寺を開いた日昭は弟だという。 夫婦そろって日蓮に帰依していた。
 本堂向かって左側に建っているのが、開基である「日祐法尼」の墓だ。

あとがき

 小町小路を歩いていると、突然、他の寺とは異なる雰囲気の山門が現れたのでビックリしてしまった。 境内は狭小なところに草木が生い茂っており、観光客もおり、「ぼたもち供養」の際には人出もあるのに手入れが行き届いていないのかなー。


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