淨慶寺は元和元年(1615)に上麻生村の領主三井氏によって創建された浄土宗の古刹の尼寺である。
徳川家康の実母の菩提寺である東京小石川の尼寺「傳通院」から代々尼僧が派遣され、この寺を守ってきた。
ここはまた、「あじさい寺」という愛称で地元の人々に親しまれている麻生区の紫陽花の名所でもある。
寺名: 麻生山 寿光院 淨慶寺
宗派: 浄土宗
本尊: 阿弥陀如来
創建: 元和七年(1621)
参観: 境内無料
住所: 川崎市麻生区上麻生6-34-1
アクセス: 小田急「柿生」駅南口より徒歩10分
【履歴】
・2016/03/04(金): 03/02(水)探訪
山門にあたる石柱の間を過ぎると、左にある本堂までの道沿いにはユーモラスな羅漢像群(石像)が佇んでいる。 参道の右奥には、寺の境内に鎮座する秋葉神社の鳥居だ。
浄慶寺は、天正十年(1584)、麻生の領主三井左衛門慰が「秀吉と家康」の最初で最後の激突、小牧長久手の戦に出陣し戦没した父・寿光院の菩提を弔って開創したと伝わる、正式名称・麻生山寿光院浄慶寺という浄土宗寺院である(但し、元和七年(1621)開創説もあり)。
而して、同じ浄土宗であり関係の深い、東京は小石川の伝通院(徳川家康の生母の菩提寺!)出身の尼僧が住職を勤められてきた由緒ある寺である。
浄慶寺のすぐ横にある秋葉神社は、江戸時代、領主三井家が火防、厄除け、五穀豊穣、諸民安穏を祈願して遠州秋葉神社の火伏の神を勧請したものとされ、境内の一対の狛犬は、これまた伝通院より移されたものと言われている。
紫陽花の咲く晩春の新緑の中、凛として、かつ、優しく立つ阿弥陀如来像の如く、紫陽花寺の境内はいかにも伝統の息づく清廉さと豊潤さに満ちている。
秋葉神社への石段の途中に七福神像がまとめて置かれている。七福神皆で集まったもの、個別の石像、と様々だ。
この境内には、たくさんの「羅漢像」が置かれており、それぞれ好きな遊びに興じたり、酒を酌み交わしたり、楽器を奏でたり、さらにはパソコンを操作するものまでいる。
つい笑みがこぼれてしまう…そんな空間が創出されている。
隣の秋葉神社へ参拝するために訪れたついでに境内を散策した。