横浜市鶴見区上末吉に通称「末吉不動」として呼ばれている天台宗のお寺「真福寺」がある。
本尊は不動明王で、入唐八家の1人である慈覚大師円仁が貞観年中(859〜864)に開創したといわれている。
天文十一年(1542)の開創で、旗本久志本家の菩提寺でもある。
寺名: 天台宗 明王山不動院 真福寺
宗派: 天台宗
本尊: 不動明王尊像
開山: 源海
創建: 寛文九年
住所: 横浜市鶴見区上末吉1-15
アクセス: JR「鶴見」駅西口より「新横浜駅行」、又は「梶山行」市営バス「末吉不動前」下車
【履歴】
・2015/01/28(水): 01/24(月)散策。
山門 |
道標「末吉不動道」 |
門前右手に明和元年(1764)の道標「末吉不動道」が立っている。参道を進むと石段があり、登ると町会会館の広場があり、右手は墓地、左手に真福寺境内へ続く緩やかな坂道が続いている。
仁王門 |
扁額「真福寺」 |
仁王像(左) |
仁王像(右) |
坂道を行くと10mほど先に主に塗られた仁王門が境内となった丘を背に建っている。 門の手前右手には出羽三山供養塔などの供養塔や石仏が下草の中に佇んでいる。
本堂 |
境内の参道は二手に分かれ、右に行くと本堂だ。
「准秩父三十三観音霊場」第17番札所で十一面観世音を祀っている。
十一面観音像は、台坐後光ともで三尺余り(1m弱)の大きさ。奈良時代の名僧にして第四十五代聖武天皇(在位724-749)の信任が篤かった行基菩薩(668-749)の作である。
不動の滝 |
仁王門を潜ると左手に竜頭を彫った石の口から水がしたたり落ちる"不動の滝"がある。 ここの水は湧き水で、元々自然の滝とのことだ。区内唯一の滝!!
手水鉢 |
参道の階段を登ると仏閣の建つ境内に至る。すぐ右手に龍の水口の手水鉢が置かれている。
各々は札所と呼ばれ、宗派や安置する観音様は様々だ。江戸の昔より観音様の御加護、ご利益を願い多くの巡礼者で賑わっていた。
不動堂は、参道の正面奥に建っていた。
慈覚大師が末吉の地で由緒ある大木から八尺五寸の不動尊を作り上げ、唐より持ち帰った一尺あまりの聖不動尊像を体内に納め、御腹籠り尊像としたと云う。
建長の頃(1249-1264)この尊像を信奉した子宝に恵まれない婦人は一夜参籠し深く祈誓したところ、剣を呑む夢を見て忽ち懐妊し男子を誕生したとの伝えもある。
お大師様 |
両脇にお大師様。左のものには「四国八十八カ所三十七番」、右には「四国八十八カ所三十九番」と彫られている。
末吉神社から愛宕神社へ向かう道の途中で石標「末吉不動」がふと目に入った。 境内を拝観させて頂くと落ち着いた雰囲気で好い。たまたまかも知れないが、誰もいないので静かな中で憩うことが出来る。