事事関心! 仏閣探訪:
[ 神奈川県川崎市/王禅寺 ]
神奈川県川崎市/王禅寺           2016/03/04(金)新規
あらまし

 小田急「柿生」駅南口より市営バス15分の「日立研究所下」バス停にて下車、徒歩3分のところにある。
 王禅寺は、天平宝字元年(757)孝謙天皇の勅命で発見された銅製聖観世音像を祀ったのが創始とされる。 延喜十七年(917)醍醐天皇より寺号「王禅寺」を賜り、延喜二十一年(921)に高野山三世無空上人が開山したとも伝えられ、“関東の高野山”と称されるなど、東国鎮護の勅願寺となった。 かつては禅宗・律宗・真言宗の三宗を兼学したとも云う。
 寛永十九年(1642)には江戸幕府より寺領30石の御朱印状を拝領、徳川家から与えられた葵紋を寺紋とし、境内に5塔頭、近郷に数多くの末寺を擁する中本寺格の寺院だったと云う。

寺名: 星宿山蓮華蔵院王禅寺
宗派: 真言宗豊山派
本尊: 聖観音
創建: 天平宝字元年(757)
参観: 無料
住所: 川崎市麻生区王禅寺940
アクセス: 小田急「柿生」駅南口より市営バス15分の「日立研究所下」バス停にて下車、徒歩3分

【履歴】
・2016/03/04(金): 03/02(水)探訪

正門 



 今回は琴平神社参拝の後、本殿右手の坂道を登り下りして王禅寺正門へ向かうと、ほんの五分ほどで到着。門は白壁の塀を伴なっているがとても質素な佇まいで、つい見逃してしまいそうだった。 この門を入ると山裾に建つ仁王門まで真っ直ぐに150mほどの参道が続いている。


仁王門 

仁王門

扁額「星宿山」

 参道の左手は竹藪、右手は梅畑となっている。季節がら右側の梅の木々は、丁度白い花を樹木一杯に咲かせていた。 梅の花を楽しみながら進むと、突き当りの山裾に20段ほどの石段を伴なった仁王門が現われる。


仁王吽像

仁王阿像


観音堂 

正面参道口

観音堂

扁額「大悲閣」

 仁王門から更に100段ほどの石段を上ると、西門から本堂へと続く参道にぶつかるが、道を隔てた正面に観音堂の境内に上がる石段があり、三段上がった処に社号標と石碑があった。 社号標には「星宿山王禅寺」、石碑には「旧小机領三十三所観音霊場第二十二番星宿山蓮華蔵院王禅寺 ほしやどる寺は しんにょのくもりなく ふだらくやまのじょうどなるらん」と刻まれている。
 更に10段ほどの石段を上ると境内が拡がっており、境内を囲んで大きく茂った社叢に守られるように本尊「観世音菩薩像」を安置する観音堂がひっそりと佇んでいる。


仁王像

仁王像

水口飾り

 境内への参道階段上にはその両端を弘化三年(1846)建立の仁王像が護っていた。そして境内に入るとすぐ右手には手水舎が設けられていた。その水口の飾りが一風変わった龍で、思わず微笑んでいた。


本堂 

本堂

扁額「王禅寺」

 観音堂の右手へ向かうと、その先には観音堂に背を向けて本堂が建っている。
 本堂には大日如来が祀られている。


薬師如来堂 

薬師如来堂

扁額「臨水山」

 本堂正面から続く路を進むと、右手に折れた先に薬師如来堂が佇んでいる。
 ここには、大正十二年(1923)に廃寺となった青葉区寺家町の臨山水東円寺の薬師如来が安置されているそうだ。


禅寺丸柿の原木 【国指定の登録記念物】

禅寺丸柿の原木

 本堂正面の前庭には、樹齢450年と伝えられる禅寺丸柿の原木がある。
 柿は日本、中国、韓国を原産とし、東アジアの温暖な地域に分布し、その中で甘柿は日本の特産である。 禅寺丸柿は、鎌倉時代前期にあたる建保二年(1214)この地星宿山王禅寺の山中で発見され、果実の甘さが記録されたことにより日本で最初の甘柿として歴史に名をとどめている。
 この樹は、「柿生」という地名・駅名の由来となったと言われており、平成十九年(2007)に国指定の登録記念物になっている。 また、かながわの名木100選や川崎市選定「まちの樹50選」にも選ばれている。


あとがき 

 境内のみを拝観した。

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