事事関心! 仏閣探訪:
[ 神奈川県伊勢原市/大山寺 ]
神奈川県伊勢原市/大山寺          2013/11/05(火)新規
コース案内

 小田急線「伊勢原」駅で下車。北口バス4番線の神奈中バス「伊10系統/大山ケーブル行き」に乗り、終点「大山ケーブル」バス停で降りる。 ここからは土産店・食事処・宿が続く「こま参道」を徒歩で大山ケーブル駅まで10分ほど登り、そこからは女坂歩きかケーブルカーかどちらかの選択となる。自分らは迷うことなく大山ケーブルカーを選んだ。大山寺はケーブルカーの中間駅「大山寺」駅で降りると徒歩3分(約200m)と近い。
 大山寺(おおやまでら)は、神奈川県伊勢原市にある真言宗大覚寺派の寺院で大山不動の通称で知られている。 高幡山金剛寺、成田山新勝寺と共にしばしば「関東の三大不動」に数えられ、江戸期には江戸近郊の観光地として賑わい、落語にも「百人坊主」として題材に取り上げられるほど、広く一般に知られていた。
 今回、「丹沢・大山フリーキップA」を使い、大山阿夫利神社参拝の帰りに立ち寄った。

寺名: 雨降山 大山寺 来迎院
宗派: 真言宗 大覚寺派
創建: 天平勝宝七年(755)
開山: 良弁僧正
本尊: 鉄造不動明王【重文】
札所: 関東三大不動、関東三十六不動1番、関東八十八箇所60番
参観: 無料
住所: 神奈川県伊勢原市大山724
アクセス: 小田急線「伊勢原」駅北口より「大山ケーブル行」バス

【履歴】
・2013/11/05(火): 10/31(木)探訪

由緒

 大山寺は、奈良の東大寺を開いた良弁僧正が天平勝宝七年(755)に開山したのに始まる。 行基菩薩の高弟である光増和尚は開山良弁僧正を継ぎ、大山寺二世となり、大山全域を開き、山の中腹に諸堂を建立した。 その後、徳一菩薩の招きにより、大山寺第三世として弘法大師が当山に入り、数々の霊所を開いた。
 大師が錫杖を立てると泉が湧いて井戸となり、また自らの爪で一夜にして岩塊に地蔵尊を謹刻して鎮魂となすなど、現在は大山七不思議と称される霊地信仰を確立した。
 また日本古来の信仰を大切にし、尊重すべきとの大師のことばにより、山上の石尊権現を整備し、伽藍内に社殿を設けるなど神仏共存を心掛け手厚く神社を保護してきた。 元慶八年には天台宗の慈覚大師の高弟・安然が大山寺第五世として入山。 伽藍を再興し、華厳・真言・天台の八宗兼学の道場とした。
 これより大山は相模国の国御岳たる丹沢山系の中心道場として各地に知られ、別当八大坊をはじめとする僧坊十八ケ院末寺三、御師三百坊の霊山として栄えた。 しかし明治初年の廃仏毀釈により、現阿夫利神社下社のある場所から現在の場所へと移り、本堂をはじめ数々の伽藍が再興され現在に至っている。

参道階段 

参道階段

 こま参道から阿夫利神社へと続く登山道から登る参道階段の周辺は、紅葉の名所となっている。 残念ながら十月末の来訪と、紅葉の見頃には半月ほど早かったので紅葉は青々としていた。


本堂 

本堂

偏額「大山寺」

不動明王及び二童子像【重文】

 この本堂は明治初年の廃仏毀釈により破壊されていたものを明治十八年に全国の信者たちの寄進によって再建された。
 本尊の不動明王及び二童子像3像は溶かした鉄を鋳型に入れて造るという日本の仏像では大変珍しい技法で造られている。 像も大きく、わが国の鉄仏の中で最も優れた作例といわれている。
 不動明王像は、頭上に連弁を形取った莎髻(しゃけい)を置き、髪を総髪に束ねて左肩から弁髪として垂らし、右手に倶利迦羅剣(くりからけん)、左手に羂索(けんさく)を持ち、瑟瑟座(しつしつざ)の上に座っている。 水晶をはめ込んだ眼は両目とも見開き、上牙で下唇をかむ忿怒の相をしている。
 右側に立つ矜迦羅童子(こんがらどうじ)は、左足をやや前に出し、体を斜めに身構えて立つ。 左手は垂らして蓮の花を持ち、右手は胸の前で独鈷(どっこ)を握っている。
 左手に立つ制多迦童子(せいたかどうじ)は、右脚を踏み出し、斜め左を向いた形をとっている。 左手をまげて胸の前で肩にかけた条帛(じょうはく)のはしを握り、右手に木製の宝棒を持つ。

大師堂、宝篋印塔 

大師堂

宝篋印塔

弘法大師堂:
 明治四十年東京浅草の不動講「本浅睦会」の発願により本堂向かって左側に建立されたが大正三年宝篋印塔が再建されるにつきその前年右側に移された。 内部には九十三体の大師小像が置かれている。
宝篋印塔:
 大山11坊の内の広徳院憲海を勧進元として寛政七年に旧大山寺の境内に寄進建立された。 大山全山を通じ、同じ境内の倶利伽羅龍王堂と共に、江戸時代から存続する建造物である。

倶利伽羅龍 

倶利伽羅の滝

倶利伽羅龍

 倶利伽羅剣に巻きついた龍を倶利伽羅龍と云う。


あとがき

 丹沢山系の大山中腹にあり紅葉の名所なので、見頃の季節に再訪し参道階段下から眺めてみたいものだ。

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