横浜市営地下鉄ブルーライン「新羽」駅にて下車し、緑産業道路を西へ約300mほど行くと右手に寺の長い参道がある。
西方寺は横浜七福神巡りの第一番「恵比寿神」を祀っているお寺でもあり、新年元旦〜七日は多くの参拝者が訪れるそうだ。
西方寺はおよそ800年前に鎌倉に創建され、その後およそ500年まえにこの新羽の地に移ってきたお寺である。
山号の補陀洛山(ふだらくざん)はサンスクリット語のポータラカが語源で、観音信仰の霊地を意味している。
西方寺がこの地に移る前、この地には観音様が祀つられ、観音信仰の山として村の方々に信仰されていたと云う。
寺院: 補陀洛山 西方寺
宗派: 真言宗
本尊: 阿弥陀像
住所: 横浜市港北区新羽町2586
参観: 無料
交通: 横浜市営地下鉄ブルーライン「新羽」駅下車 徒歩5分
【履歴】
・2020/05/08(金): 観音堂の十一面観音像を追加。
・2018/01/07(日): 2011/11/22(火)探索。
参道口/港北七福神[恵比寿神] |
参道 |
参道口 |
山門 |
長い参道を歩くと石段、茅葺きの山門が迎えてくれる。山門は四脚門で、江戸末期に建てられたもの。
本堂 |
石段をあがり山門をくぐると横浜とは思えない別の場所のような雰囲気に包まれ、緑深い山を背に約三百年前に建立された大きな茅葺きの本堂が佇んでいる。
本堂は平成の大修理によって屋根が茅葺きになり、江戸時代の創建当初の姿に復元された。
鐘楼 |
鐘楼は新編武蔵風土記稿には「鐘楼ハ観音堂ノ前ニアリ」と記述され、鐘の鋳造銘から見て宝永五年(1708)に二十五世祐算法印による建立と思われる。 当時の梵鐘は戦争中に供出してしまい、現在の梵鐘は先代道海和上により昭和五十年(1975)に再鋳したもの。 鐘楼は本堂より少し前の創建だが、簡素ながら趣のある建物である。
観音堂 |
十一面観音菩薩像 【市指定文化財】 |
この西方寺が移転してくる前からこの地を守る十一面観音様を祀っているお堂である。
観音堂は、古くは境内西南の竹藪の所にあった。それが江戸時代に現在の地に移され、昭和の時代に再建された。
創建当初のものと思われる彫刻彩色された欄間が残っている。
十一面観音菩薩は12年に一度,子の年春に公開される秘仏である。この像は平安時代末期の作で西方寺が鎌倉極楽寺から移建される前からこの地に奉安され、永く庶民の崇敬を受け、殊に関東管領、上杉家の御厨(みくりや)の地として、また、上杉家夫人安産祈願の仏として、信仰されて以来「子宝安産」・「治水」の仏さまとしてこの地を守護してきた。
穏やかな秋晴れの下で参拝する人も無く、静かに散策できた。