事事関心! 仏閣探訪:
[ 神奈川県鎌倉市/瑞泉寺 ]
神奈川県鎌倉市/瑞泉寺           2019/09/04(水)新規
探訪案内 

 JR横須賀線「鎌倉」駅下車、東口より京急バス「鎌20大塔宮行」にて終点「大塔宮」まで。下車後徒歩10分のところにある。
 夢想疎石がここを禅院相応の勝地として選び嘉暦二年(1327)に建立した寺。 山号の錦屏山は、紅葉谷を囲む三方の山が秋になると山が紅葉し、寺の背後に錦の屏風のように広がることから名付けられた。 初代鎌倉公方・足利基氏(足利尊氏の4男)が中興した。

寺院: 錦屏山 瑞泉寺
宗派: 臨済宗円覚寺派
本尊: 釈迦如来
建立: 嘉暦二年(1327)
開山: 夢窓国師(夢窓疎石)
札所: 鎌倉観音霊場第六番、鎌倉地蔵尊霊場第七番、東国花の寺百ヶ寺鎌倉4番
参観: 200円
住所: 鎌倉市二階堂710
交通: JR横須賀線「鎌倉」駅下車、東口より京急バス[鎌20番 大塔宮行]大塔宮下車、徒歩10分

【履歴】
・2019/09/04(水): 09/04(水)拝観。

総門 

総門

額「瑞泉寺」

鬼瓦

 平成二十二年(2010)に改修されて綺麗になっている。この総門に続く道は車道なので、門じたいはモニュメント的なものとなっている。
 総門を過ぎるとすぐ右手に覚園寺や建長寺の半僧坊へと続く天園ハイキングコースの入口があり、更に50mほど先に拝観料金所がある。 本堂はさらに緩やかな登りの石畳の参道を150mほど歩いた処にある。

本堂 

山門

本堂

 本堂には本尊の釈迦如来坐像が祀られている。 建物は昭和五十年(1975)に再建されたもので、堂内には南北朝時代に作成されたと伝わる木造夢窓国師坐像(重文)、徳川光圀寄贈の木造千手観音菩薩坐像も安置されている。
 本堂の脇には、鎌倉市の指定天然記念物である"黄梅"と"冬桜"が植わっている。

どこもく地蔵堂 


 "どこもく地蔵"は地蔵堂に安置されている鎌倉時代後期作の木造地蔵菩薩立像だ。 夢にこの地蔵が現れ、「どこもく、どこもく(どこも苦しいのは同じ)」と語りかけた、という逸話が残っており、この逸話が由来となり「どこもく地蔵」と呼ばれるようになったと云う。


鎌倉地蔵尊七番札所どこもく地蔵尊縁起

 昔、地蔵尊、扇谷の辻に在せり、堂守困窮し逃亡を謀る、
 地蔵尊夢に立ちて曰く、『どこもどこも』
 その意を問ふに八幡宮寺正覚院の住持答ふ
 『この世はいづこも苦、楽を求めて逃げむよりは辛抱忍苦を学ぶべし』
 かくて堂守は地蔵尊に一生仕へしと、『どこも地蔵尊』、『どこも苦地蔵尊』と呼ばるる由縁なり。

庭園 

国指定名勝 瑞泉寺庭園


 夢窓疎石の作庭で、岩盤を掘って造ったいわゆる「岩庭」だ。ちなみに大きな洞窟は天女洞、別名・水月観道場と呼ばれ、かつての坐禅修行の場とのことである。
池には二つの橋が掛けられ、十八曲階般を登ると錦屏山の山頂へと繋がる。 山頂からは鎌倉市街、富士山、相模湾を借景とした庭園が造られ、「偏界一覧亭(へんかいいちらんてい)」と名付けられた小さな東屋が設けられている。


夢窓疎石

 鎌倉時代末から南北朝時代、室町時代初期にかけての臨済宗の禅僧・作庭家・漢詩人・歌人。
 建仁寺の無隠円範らに学んだ後、元の渡来僧の一山一寧門下の首座となったものの印可に至らず、のち浄智寺の高峰顕日の法を嗣ぐ。夢窓派の祖。
 禅僧としての業績の他、禅庭・枯山水の完成者として世界史上最高の作庭家の一人であり、天龍寺庭園と西芳寺庭園が「古都京都の文化財」の一部として世界遺産に登録されている。夢窓疎石の禅庭は、二条良基の連歌・歌論や世阿弥の猿楽(能楽)とともに、わび・さび・幽玄として以降の日本における美の基準を形成した。

鐘楼(錦屏晩鐘) 

錦屏晩鐘


 山門を潜り、左手に向かうと鐘楼がある。


あとがき

 「大塔宮」バス停から更に10分ほど山里へと歩くためか自分以外参拝する人は無く、静かに散策できた。

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