事事関心! 仏閣探訪:
[ 京都市東山区/智積院 ]
京都市東山区/智積院            2023/10/07(土)新規
探訪案内

 東山区七条山裾にある真言宗智山派総本山「智積院」を訪れた。 最寄り駅の京阪本線「東山七条」駅からだと、七条通(京都府道113号梅津東山七条線)を東へ約10分、突き当りの東山七条交差点にある。
 もとは文禄元年(1592)に豊臣秀吉が愛児鶴松のために創建した祥雲寺があったところで、慶長六年(1601)に玄宥僧正が徳川家康から寺地をもらい受けて建立した。

寺名: 五百佛山 根来寺 智積院(別称 総本山智積院)
宗派: 真言宗智山派 総本山
本尊: 金剛界大日如来
創建: 慶長六年(1601)
開山: 玄宥
札所: 真言宗十八本山巡拝霊場、近畿三十六不動霊場20番、京都十三仏霊場1番、神仏霊場京都40番
拝観: 境内無料、庭園300円、宝物館500円
住所: 京都市東山区東瓦町964
交通: 京阪本線「東山七条」駅下車、東へ徒歩10分

【履歴】
・2023/10/07(土): 10/07(土)探訪

総門


 東山七条交差点に面して建っており「ここから入れるのかな?」と一瞬思ってしまう。残念ながら少し南側へ歩いたところに入り口がある。
 天和二年(1682)に焼失した方丈殿の再建には東福門院の旧殿などが資材として使われたが、この総門もその東福門院より移築されたと伝えられている。


金堂

金堂

扁額「智積院」

金剛界大日如来座像

 参拝入り口から入り冠木門(かぶきもん)を潜りほぼまっすぐに参道を進むと正面に建っている総本山智積院の中心的な建物である。
昭和五十年(1975)に宗祖弘法大師のご生誕千二百年の記念事業として鉄筋コンクリート造、入母屋造、瓦葺にて再建された。
 堂内には昭和の祈りを込めた本尊金剛界大日如来の尊像が安置されている。地下には胎蔵界大日如来が祀られている。
 以前の金堂は、元禄十四年(1701)3月智積院第10世専戒僧正が発願し、桂昌院(徳川5代将軍綱吉の生母)より与えられた金千両を基に学侶からの寄付金を資金として、宝永2年(1705)春に建立されております。 しかし、明治十五年(1882)に火災により焼失した。

明王殿(不動堂)

明王殿

扁額「明王殿」

不動明王像

 もとは江戸時代建立の大雲院本堂である。 明王殿は、昭和二十二年(1947)の火災により仮本堂であった方丈殿が焼失した際に、明治十五年に焼失した本堂の再建のため、京都四条寺町にある浄土宗の名刹、大雲院の本堂の譲渡を受け、現在の講堂のある場所に移築した建物である。 祀られている不動明王は興教大師(こうぎょうだいし)の作といわれ、「麦搗(むぎつき)不動」とも呼ばれている。

大師堂

大師堂

扁額

弘法大師空海尊像

 真言宗開祖・弘法大師空海の尊像を安置する堂宇である。
 大師堂は江戸浅草の宝持院真融法印の寄付金三百両を基金に、役寺の愛宕円福寺の胎通法印と真福寺の純雅法印が尽力して費用を用意したと伝えられている。 落慶は胎通が智積院第二十四世に就任中の寛政元年(1789)である。

鐘楼堂



 梵鐘は「智専の鐘」と呼ばれる。平成十年(1998)に旧宗立智山専門学校同窓生が作る智専会によって鐘と共に寄進されたもの。


宝物館

宝物館

 「弘法大師空海ご誕生1250年」を記念した奉修事業の一環として建立され令和五年(2023)春に開館。
 宝物館には長谷川一派の筆による障壁画が陳列されており、長谷川等伯と息子久蔵が描いた「楓図」、「桜図」、「松に秋草図」、「松に黄蜀葵図」、「松に立葵図」、「雪松図」を常時展示する。なお、これらの障壁画は全て国宝に指定されている。 また、智積院が有する約8万点の収蔵品の一部を季節に合わせ順次、公開している。


庭園 国の名勝

庭園

 狭い敷地を広く見せる遠近法を取り入れた池泉鑑賞式庭園で「東山随一の庭」と呼ばれている。庭園は千利休好みといわれ、国の名勝に指定されている。
 中国の廬山を模して造られていて、石橋より奥は禅寺・祥雲寺の時代に造られたもので、滝の落ちる正面は江戸時代に修築されたものとされる。山は「廬山」を、池は「長江」をモデルにしている。 そのため、池の底に粘土を敷き詰めて意図的に長江のように濁った水を再現している。


あとがき

 何時かは訪れたいと思いながらも三十三間堂、豊国神社、方広寺しか拝観してなかったが、今回京都博物館で開催の「東福寺展」を観たついでに参拝できた。

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