事事関心! 仏閣探訪:
[ 京都市伏見区/長建寺 ]
京都市伏見区/長建寺           2020/10/31(土)新規
探訪案内

 伏見の長建寺へは、京都からは近鉄京都線で「近鉄丹波橋」駅まで行き、ここで京阪「丹波橋」駅まで歩き京阪電車に乗り換える。 そして「丹波橋」駅から二駅目の「中書島」駅で下車する。駅北口に出て北方向へ延びる道を進み100mほど先の二つ目の十字路で右折する。 道なりに120mほど進むと豪川沿いの道にぶつかるが、その左手にある。(徒歩約3分)
 元禄十二年(1699)伏見奉行建部内匠頭政宇(たけべたくみのかみまさのき)が中書島開発の際、深草大亀谷の即成就院から塔頭多聞院を分離して創建した。 脇仏は珍しい裸形弁財天。京都で御本尊が弁財天という寺はここしかない。

寺名: 東光山 弁財天 長建寺
宗派: 真言宗醍醐派
創建: 元禄12年(1699)
開基: 伏見奉行 建部内匠頭政宇
本尊: 八臂(はっぴ)弁財天(秘仏)
住所: 京都市伏見区東柳町511
拝観: 境内は無料
札所: 伏見五福めぐり
アクセス: 京阪電車「中書島」下車、徒歩約3分

【履歴】
・2020/10/31(土): 10/28(水)探訪。

山門

山門

 山門は、江戸時代に建立された中国風(唐様、神宗様)の竜宮門になっている。 下の部分の構造に対して、上の楼閣部分が極めて小さい。 屋根に葺かれている瓦も、上にいくほど一枚ずつ小さくなっている。 更に、軒の垂木も放射状に付けられている。唐様であり京都唯一の建築物という。


本堂

本堂

 鎌倉時代後期作の八臂弁財天(はっぴべんざいてん)を本尊とし、一般に「島の弁天さん」の名で知られている。
 かつては淀川を往来する廻船の守護神、遊女の技芸上達の神として信仰を集めた。 脇仏には珍しい裸形弁財天と白蛇がとぐろを巻いた姿の翁「宇賀神将」が安置されている。 宇賀神将は蛇の頭に老人の顔がついた姿をした神様で、金運向上のご利益があることで有名だ。 そのほか、本堂の両脇には、弘法大師坐像(若いころの空海像:鎌倉時代)と観音菩薩像が安置され、両壁には「十二天図」が飾られている。 十二天は東西南北八方と天地、日月を守る守護神。これは室町時代の十二天の複製と考えられている。
 福徳・智恵・財宝、現世利益のご利益があると云う。
 本尊の八臂弁財天像は毎年元旦から15日間のみ開帳される。

不動堂・護摩炉


 不動堂には本尊:不動明王のほか、水天尊、青面金剛、醍醐寺開山・聖宝尊師(理源大師)がを祀られている。 水天尊は密教十二天のうち八方天の一尊で西方の守護神であるところから、水の神・河の神となった。 青面金剛は、江戸時代に流行した民間信仰の一尊である。 病魔・悪鬼を払う神として信仰され盗難よけを祈願する霊尊でもある。 また道教と習合して庚申信仰(こうしんしんこう)の本尊ともされている。
 堂の前にある護摩炉は護摩壇の中央に設けた護摩木をたく火炉だ。

鐘楼堂(みくじ舎)


 長建寺と御香宮に、時報としての鐘楼が設置されていた。 鐘は、三十石船の知らせにも、非常時にも撞かれ、五人扶持が支給されていた。
 梵鐘は、第二次世界大戦中の戦時金属供出により失われ、その後、復元されていない。 現在の梵鐘は模造だ。


飛龍大権現・摩利支尊天、地蔵堂

飛龍大権現・摩利支尊天

地蔵堂

 摩利支尊天は軍神の女神とも言われ、武家に信仰されていた神様だ。


あとがき

 長建寺はこじんまりとした寺で、伺った時はコロナ禍のこともあり誰もいなかった。


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