事事関心! 仏閣探訪:
[ 京都市上京区/法輪寺(達磨寺) ]
京都市上京区/法輪寺(達磨寺)        2022/11/02(水)新規
探訪案内

 JR嵯峨野線「円町」駅で下車し、丸太町通を東へ進むと西大路通に出る。ここを左折し北へ進み次の信号のある交差点で右折横断して下立売通を東へ向かう。 天神川(紙屋川)を超えると東畔右手(南側)に建つお寺が法輪寺(達磨寺)である。
 達磨寺の名で親しまれている法輪寺は臨済宗妙心寺派に属し、享保十二年(1727)大愚和尚を開山とし、開基荒木宗禎に帰依を受けた万海和尚が創立した禅寺である。創建当時は、「三蔵院法輪禅寺」と称した。
 同寺が通称「達磨寺」として親しまれているのは、第10代の後藤伊山和尚が、太平洋戦争敗戦の国土・人心荒廃する日本の復興を祈念して達磨堂を建立したのが始まり。禅宗初祖菩提達磨禅師の七転八起の精神に肖り、起き上がり・忍苦・不倒の教えのシンボルとして多くの"だるま"が境内に奉納されている。 三国一を称する「起上り達磨」をはじめ、諸願成就に奉納された達磨およそ八千余をまつる達磨堂は特に有名で、節分は参詣者でにぎわう。

寺名: 大宝山 法輪寺
宗派: 臨済宗妙心寺派
本尊: 釈迦如来
開山: 大愚宗築禅師
創建: 享保十二年(1727)
札所: 京の通称寺霊場第11番
参拝: 境内無料、本堂庭園・衆聖堂は大人300円
住所: 京都市上京区行衛町457
アクセス: JR「円町」駅下車、徒歩6分

【履歴】
2022/11/02(水): 11/02(水)参拝。

山門 


 下立売通に北面して建つ。


本堂(方丈) 

方丈内陣の達磨像

 本堂は、江戸時代・享保三年(1718)に創建された単層・入母家造り9間6間、瓦葺の建物で「九六の本堂」といわれ、およそ百坪の広さがある。 現在の建物は、三ヶ年掛けた初めての解体修理により樫の名木で見事に復元、昭和五十八年四月吉日落慶したもの。
 本堂前椽正面壁間高く「転法輪」の山額が掲げられている。当時の琉球中山国円覚寺世代の月羅山和尚の名筆である。車の輪が廻るように、仏法を説いて止めてはならぬ。 仏法を行じて絶えてはならぬ。法輪寺建立の精神がここに書いてある。
 客室の襖絵に、杉本哲郎(1899-1985)筆の達磨の生涯を描いた淡彩墨画「少林余光図」がある。 また、福本三木筆の極彩色の杉戸絵がある。
 本堂に安置の「仏涅槃木像(等身金箔寝釈迦木像)」は、安土・桃山時代の金箔等身蓮上聡耳の木像である。

起き上がり達磨五訓

一、きはながく こころはまるく はらをたてずに ひとはおおきく おのれはちいさく
二、文句なしただ七転び八起して働くほかに手なし足なし。
三、働くはハタを楽にし己が苦を、苦にせず人の動く姿ぞ。
四、叩かれて内にふくれる達磨かな。
五、日の本の女性のかがみ姫達磨、内強うして眉目うるわしく。
洛陽大宝山法輪寺(起上達磨寺)願首比丘 弗云窟 大義拝願

無尽庭 

無尽庭

無尽庭/見牛石

 本堂の東側には禅の悟りの段階を示す十牛の庭、南側に白砂の上に苔で心字を描き出したユニークな庭がある。
 禅院式の枯山水式庭園「無尽庭(むじんてい)」は江戸時代から続く京都の叶A音にて、昭和五十三年(1978)に作庭された。 無尽庭は中国の禅の入門書「十牛図(じゅうぎゅうず)」を題材にしており、悟りに至るまでの過程を牛に例えて10枚の絵にしたものである。中央の巨石を中心として三尊石となっている。
 右図の右手の苔むした巨石が、牛の姿をした貴船石であり「見牛石」と呼ばれている。

達磨堂 


 達磨堂は約8,000もの「だるま」が祀られているお堂である。 達磨堂は、終戦後当時の和尚が、達磨大師の不屈の精神にあやかり建立されたもの。
 お堂の入口の上の額には、転んでも立ち上がる不屈の精神を表す「七転八起」の文字が掲げられている。
 達磨堂の天井を見上げると、天井に達磨大師の顔と「不識(ふしき)」の文字。 不識は"知らない"という意味で、かつて中国の皇帝に何者なのか尋ねられた際、達磨大師の答えは一言「不識(ふしき)」だったそうだ。

衆生堂(しゅうせいどう) 


 「衆聖堂」は山田無文老師の命名で、「キネマ殿」とも呼ばれており、二階建・四注造(一種寄棟(よせむね)造)の建物である。
 階上には仏涅槃木像などと共にキネマ殿(尾上松之助、牧野省三、大河内伝次郎、阪東三津五郎、望月優子、 田中絹代の各氏はじめ、映画人6百有余霊を祀る)。 階下には樟一本造り大達磨立像、十六羅漢木像、千変万化する達磨の諸相八千体などを奉安する。


鐘楼 


 「弁天鐘」は、江戸時代、享保十四年(1729)の鋳造による。三条釜座の名工・藤原国次の銘が入っており、四方に天女奏楽の姿を鋳出している。
 昭和九年(1934)庫裏の新築工事の際発見された。


あとがき

 達磨寺として有名なのだが足を運ぶ観光客は少ないようだ。自分が訪れた際には誰とも出会わなかった。

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