事事関心! 仏閣探訪:
[ 京都市左京区/永観堂(禅林寺) ]
京都市左京区/永観堂(禅林寺)        2015/10/10(土)新規
探索案内

 京都市営地下鉄東西線「蹴上」駅にて下車、仁王門通りを少し下り、赤レンガ製の古いトンネル「ねじりまんぼ」を抜け南禅寺山門前を通り鹿ケ谷通りへ。右手に折れ進むと、東山中学校・高等学校の先に永観堂がある。
 仁寿三年(853)空海の弟子真紹が藤原関雄の山荘を譲り受け、尊像を安置、真言宗の道場としたのが始まりとされている。 承暦年間(1077-81)第7世永観が入寺して以来、徐々に浄土念仏道場へと変わっていった。
 藤原関雄は「古今集」に『おく山の 岩がき紅葉 散りぬべし 照る日の光 見る時なくて』という歌を載せているが、その歌にある「岩がき紅葉」は、今も境内の奥にそびえる東山の斜面にしっかりと根を下ろし、秋になると真っ赤に色づき、"もみじの永観堂"と呼び沢山の参拝者が訪れる。

寺名: 聖衆来迎山 無量寿院 禅林寺(通称 永観堂)
宗派: 浄土宗西山禅林寺派総本山
本尊: みかえり阿弥陀像【重文
住所: 京都市左京区永観堂町48
アクセス: 地下鉄東西線「蹴上」駅下車、徒歩約15分。

総門、中門    


総門

中門

 総門は高麗門形式で江戸時代のもの、中門は薬医門形式の門で延享元年(1744)に創られたもの。


大玄関、唐門    


大玄関

唐門

みかえり阿弥陀如来像

 大玄関、ここからが永観堂の拝観スタートだ。ここで靴を脱ぎ、大玄関から山上の阿弥陀堂まで堂内を巡拝する。 正確には複数のお堂(釈迦堂・千仏洞・御影堂・位牌堂・阿弥陀堂・開山堂)を巡るのだが、お堂同士は渡り廊下で繋がっているので、そまま移動できる。
 唐門は天皇の使いが通った勅使門で、釈迦堂との間に変わった形の盛り砂がされており、かつて勅使はこの砂で身を清めてから堂内へ進んだそうだ。
 釈迦堂は室町時代の建立で本格的な書院造りで、鮮やかな襖絵を見ることができる。
 御影堂は浄土宗の開祖・法然上人をまつるお堂で大正時代の建築である。本尊をまつる阿弥陀堂より大きい。
 阿弥陀堂は本尊「みかえり阿弥陀如来」が祀られているお堂で、廊下を通っていける最終地点でもある。 阿弥陀堂は御影堂よりも一段高いところにあり、御影堂の裏に自由に使えるエレベーターがある。

庭園    


 大玄関から建物に入らず右手へ進むと放生池庭園があるが、今回は建物から眺められる庭園のみ鑑賞した。


悲田梅    


 永観律師は、境内に薬王院という施療院を造り、梅を育てて、その梅の実を健康食として、貧困者や病人に分け与えたそうだ。 その律師の慈悲ある行為を讃え、京の人々は禅林寺を「永観堂」と親しみを込めて呼ぶようになった。 そして、律師が植えた梅の木は「悲田梅」と敬意を込めて名付けられた。 “悲田”とは、苦難を受けている人への思いやりの心のことだそうだ。
 現在、悲田梅は1本だけ、境内に残っており、900年経った今も、その悲田梅は美しい花を咲かせ、大きな梅の実をつける。 甘酸っぱい香りとともに、人を思いやる心を私たちに伝えているのだそうだ。


あとがき

 永観堂は紅葉の名所として知られ、古くより「秋はもみじの永観堂」といわれる。 あと一月後ぐらいに訪れるといいのかなー。今回は駆け足での参拝だったので次回はゆっくりと訪れてみたいお寺だ。

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