事事関心! 仏閣探訪:
[ 京都府木津川市/岩船寺 ]
京都府木津川市/岩船寺           2022/10/31(月)新規
探索案内

 JR京都駅7:12分発の奈良線「奈良行」普通電車にて木津駅へ、此処でJR関西本線に乗り換えて次の駅の「加茂」駅へ。 1時間20分ほどかかる。遠いなー。岩船寺はさらにここから木津川市コミュニティバスに15分ほど乗り「岩船寺」バス停へ移動する。 お寺はバス停から直ぐの処にある。
 岩船寺は天平元年聖武天皇が出雲国不老山大社行幸の時に霊感を受け、僧行基に命じて阿弥陀堂を建立したことに始まる。
 岩船寺のある南山城の地域は南都仏教の聖地として奈良文化の影響を強く受けている。なお、このお寺は紫陽花寺として知られている。

寺名: 高雄山 報恩院 岩船寺
宗派: 真言律宗
本尊: 阿弥陀如来坐像【重文】
創建: 伝・天平元年(729)
開山: 伝・行基
札所: 仏塔古寺十八尊第4番、関西花の寺二十五霊場第15、神仏霊場巡拝の道第129(京都第49番)
住所: 京都府木津川市加茂町岩船上ノ門43
アクセス: JR「加茂」駅下車、木津川市コミュニティバスにて約16分、「岩船寺」バス停下車すぐ。

山門


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本堂 (仏像画像は岩船寺パンフレットより)


本堂

阿弥陀如来坐像【重文】

 本堂には、阿弥陀如来坐像【重文】が安置されている。 岩船寺の本尊で一般的に丈六仏(2.4m高)と言われるサイズの仏像である。 見た目の雰囲気から定朝様にも見えるが、丸みのある体に大きめの白毫と螺髪など独特の特徴があり、他に例をみない奈良時代と平安時代の間にある仏像である。 本尊の四隅には、寄木造彩色の持国天・増長天・広目天・多聞天の四天王立像(京都府指定文化財)が安置されている。


普賢菩薩像

 現在は本堂内本尊脇に安置されているが、元来は三重塔内部に納められていた。 像高40cmほどの小さい仏像である。女性的な姿の当時代を代表する優品として知られている。 この像は、法華経に説かれる六本の牙を持つ白象に乗る普賢菩薩で、法華経を信じる者を護持するといわれている。 下の象は後世に補修されている。


三重塔重文

高さ:17.56m、室町時代

 

 山門を潜ると、正面の奥まった高台に朱塗りの色鮮やかな三重塔が建っている。
 仁明天皇が智泉大徳を偲んで承知年間(834〜847)に宝塔を建立したと伝わる。現存する塔に室町時代の嘉吉二年(1442)の刻銘があることからこの時の建立とせれている。 平成十五年に復原された。
 仏塔古寺十八尊霊場の一つでもある。


鐘楼



 三重塔左手奥に建つ。報恩の鐘と呼称されており、「生かされていることに感謝、心を込めてお撞きください」とあるので自由に鐘を撞けるようだ。


石室不動明王立像、厄除け地蔵菩薩

石室不動明王立像【重文

厄除け地蔵菩薩

 石室不動明王立像は鎌倉時代のもので重要文化財に指定されている。花崗岩製で前面二本の角石柱を立て、その上に寄棟造り一枚石の屋根をかけた珍しい建築。 奥壁の一枚石に薄肉彫りの不動明王立像が祀られている。
 山門を潜り緑深い境内に入ると右手奥の簡素な地蔵堂に地蔵石仏が祀られている。 石仏はほぼ正方形の台石上に乗り総高約1.5m足らず、大きな二重光背を背負う定型の地蔵菩薩座像だ。 大きな錫杖を持ち、造り出し蓮台上で力強く、大きく張った膝を組む。 像高は80cm足らずだが、厚く力強く彫り出された像容は鎌倉様式を踏襲した鎌倉後期の像立である。

あとがき

 岩船寺は関西花の寺霊場の一つで、紫陽花の寺として有名だ。 境内一面が紫陽花に彩られ多くの人が参詣するようだが、訪れた日には草花は多くなく、参拝者も疎らだった。

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