慶長元年(1596)、大本山本圀寺十六世究竟院日�ワ辮lが、この地に隠棲して開創した。 寺域が幽雅閑寂で、天台四土にいう常寂光土の観があるところから寺号となる。

寺名: 小倉山 常寂光寺
宗派: 日蓮宗
本尊: 十界大曼荼羅
開祖: 本圀寺十六世究竟院日�ワ辮l
創建: 慶長元年(1596)
拝観: AM 9:00 - PM 5:00(PM 4:30受付終了), 拝観料/400円
住所: 京都市右京区嵯峨小倉山小倉町３
ｱｸｾｽ: JR山陰本線｢嵯峨嵐山｣駅より徒歩15分

【履歴】
・2015/10/01(木): 9/28(月)散策。

　太い角材を格子に組んで造られた山門は、江戸後期に作り変えられたもので、江戸中期出版の「都名所図会」には、袖に土塀をめぐらした薬医門が描かれている。

仁王門

仁王像

仁王像

　南北朝時代の貞和年間(1345-49)に本圀寺の南門として建立されたが、元和二年(1616)に現在地に移築された。 境内建築物の中では最も時代の古い建物である。茅葺の屋根がめずらしい。
　身の丈七尺の仁王像は福井県小浜の日蓮宗寺院・長源寺から移された。寺伝に運慶作とあるが、実際の作者は不明である。

　本堂は、第二世通明院日韶上人(日野大納言輝資の息男)の時に小早川秀秋の助力を得て、桃山城客殿を移築して本堂としたもの。 江戸期の文献、資料に図示された本堂の屋根は、本瓦葺きの二層屋根となっている。 現在の平瓦葺きの屋根は、昭和七年の大修理の時に改修された。
　現在は改修工事中(2015/09/28)。

　開山堂は、2004年、明石本立寺院首・野口泰信僧正と政子夫人により建立された。日�ワ辮l坐像を安置している。

　境内の後方、やや小高い地点に建つ。
　多宝塔は元和六年(1620)の建立で｢並尊閣｣といい、前面に霊元天皇の勅額が揚げられている。
　寺伝に、文禄五年(1596)日�ワ辮lが、当寺に隠棲して堂舎を建立し、さらに日韶上人が小早川秀秋の助力を得て桃山城客殿を移築して本堂とし、元和二年(1616)には本圀寺客殿南門を移して山門としたことが見えるから、慶長から元和にかけての頃が、当時の創建期であったらしい。 多宝塔は、方三間、重層、宝形(ほうぎょう)造、檜皮葺、総高約12m余で、均整のとれた美しい姿を示している。

　妙見堂は能勢妙見を分祀し歌仙祠には藤原定家、家隆、徳川家康の木像を安置している。 当山の妙見菩薩は、慶長年間(1596~1610)保津川洪水の際、上流から流れついた妙見菩薩御像をふもとの角倉町の一船頭が拾い、久しく同町の集会所に祭られていたのを、享和年間(1801~1803)、當山第二十二世日報上人の時に、當山境内に遷座された。

　鎌倉時代初期の公家・歌人・藤原定家、公家・歌人・藤原家隆、徳川家康の木像を安置している。 明治二十三年(1890)、富岡鉄斎により、定家650年祭に命名された。 かつて、現在の仁王門北にあり、寺の建立の際に山上に移転したという。 現在の建物は、昭和三十九年(1994)に改築された。

　鐘楼は、寛永十八年(1642)当山第四世、光照院日選上人の建立。
　梵鐘は第二次世界大戦中徴資に遭い、現在の梵鐘は、昭和四十八年(1973)に青木一郎博士の音響設計により、古律黄鐘調の新鐘として鋳造されたもの。

　山の斜面に諸堂が点在しているのでどういった順路で巡ったらよいか分らないままうろうろ。そんな訳で展望台までは登らず、本堂も改修中で残念。