事事関心! 仏閣探訪:
[ 京都市東山区/戒光寺 ]
京都市東山区/戒光寺            2020/10/29(木)新規
探訪案内

 戒光寺へのアクセスは、JR京都駅からJR奈良線で1駅目の「東福寺」駅から歩く(約15分)か、京都駅前バスターミナルD2乗場から市バス[208:東福寺・泉涌寺道方面]にて「泉涌寺道」バス停へ、そこから泉涌寺道を徒歩7分だ。
 戒光寺は安貞二年(1228)に宋から帰国した曇照律師が後掘河天皇の勅命により戒律復興の道場を猪熊八条に開いたことに始まる。 応仁の乱に罹災した後は堀川一条、河原町三条へ移転、更にその後正保二年に後水尾天皇の発願により現在の泉涌寺山内に移転再興された。

寺名: 丈六 戒光寺
宗派: 真言宗泉涌寺派
創建: 安貞二年(1228)
開山: 雲照律師
本尊: 丈六釈迦如来立像【重文】
札所: 京都十三仏霊場第三番、泉山七福神巡り第二番(弁財天)
拝観: 境内は無料。(特別公開拝観料: 1000円)
住所: 京都市東山区泉涌寺山内町29
アクセス: JR奈良線「東福寺」駅から東へ泉涌寺道を徒歩15分

【履歴】
・2020/10/29(木): 10/28(水)探訪

山門


 泉涌寺道の緩やかな坂道を登って行き、総門を過ぎ暫く行くと幼稚園の園児たちの甲高い声が聞こえてきた。 戒光寺はもうすぐそこの左手道路に山門を開いて迎えてくれていた。
 山門をくぐるとそう広くはない境内があり、右手に本堂、左奥にこじんまりとした池の向こうに泉山融通弁財天が建っている。


本堂

本堂

本尊:丈六釈迦如来像【重文】

不動明王像

 本堂は、裳階付の入母屋造りである。今回伺ったお目当ては本堂に安置されている「本尊・丈六釈迦如来像」だ。
 本尊・丈六釈迦如来像は鎌倉時代の仏師である運慶・湛慶親子の合作と云われている。 宋風をおびた極彩色の木像・寄木造で重要文化財に指定されている。京都八釈迦の一つに数えられる。
 身の丈は約5.4m、台座から光背部を入れると約10mにもなり、長い爪や流麗な衣など仏画から抜け出してきたような大仏様である。
 本堂左奥には作者不詳の不動明王像も安置されている。鎌倉時代以前作とも云われている。 この不動明王は異例の左足を前に突き出し足の裏を見せているという珍しいお姿だ。

丈六釈迦如来像の言い伝え

 釈迦如来像の首の辺りから何か流れている様に見えるのは、血の跡だといわれている。
 これは、後水尾天皇が東宮であった頃、即位争いに巻き込まれ暗殺者に寝首を掻かれた時に、この釈迦如来が身代わりにたたれ、ついた血の跡だといわれている。
 この事から、身代わりのお釈迦様と呼ばれるようになり、「悪しき事のお身代わりになってくださる」又、「首から上の病気、のどの病気を治してくださる」と、崇められ、大きな仏様という意味で「丈六さん」と呼ばれ親しまれている。

泉山融通弁財天



 泉山七福神の第二番、泉山融通弁財天はその名の通り「金銭の融通をして下さる」弁天様で学芸・商売はもとより「融通を利かせてあらゆるお願いを聞いて下さる」と信仰が厚い。
 この尊像は伝教大師作と伝えられており、秘仏ご開帳は年2回、1月の成人の日に行われる七福神巡りと11月3日の弁財天大祭のみに行われている。


あとがき

 令和2年度京都非公開文化財特別公開の催しに合わせて拝観した。 伺った時拝観者は2,3名しかおらず各拝観者に個々に説明者が付く状況。 自分の説明担当者はたまたま同郷の横浜出身という事で故郷の話も交え話が弾んでしまい、仏像の説明が少なくなってしまった。


関連コンテンツ

inserted by FC2 system