事事関心! 仏閣探訪:
[ 京都市東山区/摩利支天堂(禅居庵) ]
京都市東山区/摩利支天堂(禅居庵)      2020/05/04(月)新規
探索案内

 京阪「祇園四条」駅南側の1番出口より地上に出て、北側を奔る団栗通りを東へ100mほど進む。 大和大路通りにぶつかったら右折、南へ300mほど進むと左手に摩利支尊天堂の西門がある。(徒歩約5分)
 清拙正澄禅師(大鑑禅師)は嘉暦元年(1326)鎌倉幕府第14代執権・北条高時の招きにより中国より日本へ渡海した。 その際に、自ら刻んだ摩利支天像を持参し祀ったと云う。
 摩利支天は猪を眷族(けんぞく)として従え猪車に乗り、七頭の猪に坐している。 そのため、境内には猪の像が数多く祀られている。

寺名: 摩利支天堂(禅居庵)
宗派: 臨済宗建仁寺派
本尊: 摩利支天(禅居庵の本尊は聖観音菩薩)
創設: 元弘年間(1331 - 1333)
開山: 清拙正澄
拝観: 摩利支天堂: 9:00〜17:00境内無料。
住所: 東山区大和大路通四条下る四丁目小松町146
アクセス: 京阪「祇園四条」駅下車、徒歩約5分

【履歴】
・2020/05/04(月): 2019/09/26(木)探訪

境内入口

南門

西門

 摩利支天堂正面に位置している南門は八坂通りに面している。南門前には「建仁寺禅居庵 開運摩利支尊天」の石標が立ち、門には「摩利支尊天」の赤い提灯が吊り下げられている。
 一方、西門は大和大路通りに面している。冠木門になっており、門の前には狛猪と石燈籠が立ち、右手前方には通りに面して「建仁寺禅居庵 開運摩利支尊天」の石標が立っている。

境内

狛亥

狛亥

手水盤

 摩利支天は猪を眷族(けんぞく)として従え、猪車に乗り、七頭の猪に坐している。 そのため、境内には猪の像が数多く祀られている。手水盤の水口も猪だ。


摩利支天堂

摩利支天堂

 「摩利支尊天堂」(京都府有形文化財)は室町時代初期に建立された。京都には少ない中世の禅宗様建築になる。 向唐破風向拝は、後世の改修による。方3間、単層、裳階付。


摩利支天像

御前立-摩利支天像

 摩利支天堂の本尊、秘仏の「摩利支天像」(8寸、24p)は、開山・清拙正澄(大鑑禅師)の守護神だった。 天女形で足下、7頭の猪の上に坐している。
 摩利支天とは、陽炎(かげろう)、また、日月を神格化している。サンスクリット語のMariciが語源という。 陽炎が神格化した古代インドの女神マーリーチを指し、女神は創造神ブラフマー(梵天)の子という。 陽炎が捉えられず傷つけられないことから、一切の災難を除き、身を隠す術を得られるとされた。 戦国武将の間で信仰が篤く、楠木正成、前田利家も兜に摩利支天の小像を入れて出陣したという。 開運勝利を招き、亥年生まれの人にご利益があるとされている。


荒熊大権現・小松地蔵尊

荒熊大権現・小松地蔵尊

 西門をくぐった先参道左手に建っている。


あとがき

 本尊の摩利支天像は秘仏で毎年10月20日の縁日に公開される。ぜひ、タイミングを合わせて再訪したいものだ。


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