JR奈良線「東福寺」駅下車、九条通に出て東へ向かい「泉涌寺道」交差点で右折(此処迄約10分)、泉涌寺道の緩やかな坂道をを行くこと約10分、泉涌寺入口の大門前の広場の手前の分岐道を左折すると左手にある。
來迎院は、弘法大師(空海)が大同元年(806)、唐で感得された、三宝荒神様をこの地にお祀りしたのが始まりとされている。
その数百年後の鎌倉時代、泉涌寺の長老「月翁律師」が、藤原信房の帰依を受けて諸堂を建立したことから来迎院の開山となっている。
寺名: 泉涌寺塔頭 明応山 來迎院(らいごういん)
宗派: 真言宗泉涌寺派
創建: 大同元年(806)
開基: 空海
本尊: 阿弥陀如来
札所:
拝観: 境内は無料
住所: 京都市東山区泉涌寺山内町33
アクセス: JR奈良線「東福寺」駅下車、九条通から泉涌寺道を通り徒歩20分。
【履歴】
・2020/10/31(土): 10/28(水)探訪。
山門 |
「ゆな荒神社」標柱 |
泉涌寺の大門前の広場の少し手前にある分岐道を左折し30mほど先左手の道を降りると右手に山門がある。 背の高い木々に囲まれた参道の先に建っており、静寂に包まれている。
本堂 |
阿弥陀如来像(Web借用) |
勝軍地蔵像(Web借用) |
本尊として本堂に安置されている阿弥陀如来像は、寺伝によれば運慶の作と伝えられる。脇侍仏として観音菩薩像、勢至菩薩像が安置される。
大石良雄が念持仏として、吉良邸への討ち入り成就を祈願したと伝えられる勝軍地蔵像は、甲冑を着用し、右手に剣を持った姿の地蔵像である。
荒神堂 |
扁額「廣福殿」 |
三宝大荒神座像【重文】(Web借用) |
弘法大師が、大同元年(806)唐で感得された三宝荒神さんで、当初は御自分の手で座像を彫ったと伝えられている。
ある時、このお寺の山の頂に七日七夜にわたり光を放つことがあった。
弘法大師は、霊地と感じたこの地に宝殿を建て、その座像を安置した。
その後代々の帝が信仰を寄せられたが、後奈良上皇がお姿を写した画像に「泉涌寺大荒神」とお書きになり、そのお姿がこの三宝大荒神座像とされている。
日本最初の荒神さんである。
荒神さんを拝むと、幸を招き、悪事災難を逃れるなど様々な御利益があるとされているが、特に「ゆな荒神」という別名のあるとおり、昔から皇室の方々が安産を祈願されてきた。
弘法大師が、独鈷という仏具で掘り当てられたという井戸。 縦穴の井戸ではなく、横井戸(洞窟のような形状)になっているので、柄の長い柄杓で汲み上げる。 霊元天皇に仕えた女官、小少将の局の娘は生まれつき目が不自由であったが、この独鈷水で目を洗えばよいという霊告を聞いてそのようにしたところ、たちまち見えるようになった、と伝えられている。 今では、様々な病の治癒を祈願して、この水を頂きに来る方が絶えない。
御願石: 願い事を書いた御石を持ち大師像の周りを三回廻り、石碑の梵字に御石を当てて祈念してから納める。
本堂と庭園は志納にて拝観できるそうだが後で知ったことなので無料エリアのみ見て回った。 忠臣蔵の大石内蔵助とこの来迎院の繋がりなど知るすべも無かったからな―。