地下鉄烏丸線「今出川」駅で下車。京都御苑の東側に位置する。
比叡山天台18世座主元三大師良源によって天慶年中(938〜947)に船岡山の南に創建された。
一方で寛元三年(1245)に法然に帰依した住心房覚瑜が出雲路に寺を建立、宋の廬山にならい「廬山寺」と号した。
南北朝時代、この二か寺の住持を兼務していた明導照源によって応安元年(1368)に與願金剛院によって廬山寺が吸収合併される。
しかし、新たな寺院名は「廬山寺」、正式名称「廬山天台講寺」となった。
寺名: 廬山天台講寺(蘆山寺)
宗派: 天台圓淨宗
創建: 天慶元年(938)
開基: 良源
本尊: 阿弥陀如来及両脇侍坐像【重文】
札所: 洛陽三十三所観音霊場第32番、京都七福神(金山毘沙門天)
拝観: 境内は無料。宝物館・庭園:500円
住所: 京都市上京区寺町通広小路上ル北之辺町397
アクセス: 地下鉄烏丸線「今出川」駅下車、約950m/徒歩約12分
【履歴】
・2019/09/29(日): 09/23(月)探訪
京都御苑の東を奔る寺町通に面している。
寺町通に面して2つの門がある。閉められている南側の門は、現在も本堂拝観に使用している玄関へつながる門として作られ、開かれている北側の門は大師堂のために作られたもののようだ。
門の造りは南側の方が重厚な感じである。
元三大師堂 |
撫で仏 |
元三大師堂は正面三間、奥行四間で西面し前面1間通りを畳敷きの外陣とする。
内陣は護摩壇を丸柱で柱間1間に2間の正方形平面に囲んだ部分を中心に、その三面を1間の庇で取り巻いた形をとり、奥に元三大師を祀る扉付仏壇をおくというものである。
般舟三昧院元三大師堂とは規模が違うが、両側1間を取り去ればよく似た平面になる。
建立は、天明大火後の天保六年(1835)の再建である。
大師堂縁側左側に、赤い帽子と涎掛けをした"撫で仏"と言われる仏像が置かれていた。
自分の体の悪い部分を撫でる事でご利益があるという。
紫式部歌碑 |
日本画家・池田遥頓の筆塚 |
めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に 雲がくれにし夜半の月影 :紫式部(母)
有馬山ゐなの笹原風吹けば いでそよ人を忘れやはする :大弐三位(娘)
蘆山寺はかって紫式部邸があった場所に建てられたと昭和四十年(1965)に判明した。
紫式部の曽祖父の藤原兼輔が賀茂川の堤に風流な邸宅「堤第」を建て、ここで紫式部は生まれ育ち、そして結婚生活を送り、一人娘の賢子を育て、源氏物語を執筆したと云う。
蘆山寺本堂の庭は白砂と苔の庭で「源氏庭」と呼ばれ、苔地には紫式部を表す桔梗が植えられている。