事事関心! 仏閣探訪:
[ 京都市上京区/蘆山寺 ]
京都市上京区/蘆山寺            2019/09/29(日)新規
探訪案内

 地下鉄烏丸線「今出川」駅で下車。京都御苑の東側に位置する。
 比叡山天台18世座主元三大師良源によって天慶年中(938〜947)に船岡山の南に創建された。 一方で寛元三年(1245)に法然に帰依した住心房覚瑜が出雲路に寺を建立、宋の廬山にならい「廬山寺」と号した。 南北朝時代、この二か寺の住持を兼務していた明導照源によって応安元年(1368)に與願金剛院によって廬山寺が吸収合併される。 しかし、新たな寺院名は「廬山寺」、正式名称「廬山天台講寺」となった。

寺名: 廬山天台講寺(蘆山寺)
宗派: 天台圓淨宗
創建: 天慶元年(938)
開基: 良源
本尊: 阿弥陀如来及両脇侍坐像【重文】
札所: 洛陽三十三所観音霊場第32番、京都七福神(金山毘沙門天)
拝観: 境内は無料。宝物館・庭園:500円
住所: 京都市上京区寺町通広小路上ル北之辺町397
アクセス: 地下鉄烏丸線「今出川」駅下車、約950m/徒歩約12分

【履歴】
・2019/09/29(日): 09/23(月)探訪

山門


 京都御苑の東を奔る寺町通に面している。
 寺町通に面して2つの門がある。閉められている南側の門は、現在も本堂拝観に使用している玄関へつながる門として作られ、開かれている北側の門は大師堂のために作られたもののようだ。 門の造りは南側の方が重厚な感じである。


元三大師堂

元三大師堂

撫で仏

 元三大師堂は正面三間、奥行四間で西面し前面1間通りを畳敷きの外陣とする。 内陣は護摩壇を丸柱で柱間1間に2間の正方形平面に囲んだ部分を中心に、その三面を1間の庇で取り巻いた形をとり、奥に元三大師を祀る扉付仏壇をおくというものである。 般舟三昧院元三大師堂とは規模が違うが、両側1間を取り去ればよく似た平面になる。 建立は、天明大火後の天保六年(1835)の再建である。
 大師堂縁側左側に、赤い帽子と涎掛けをした"撫で仏"と言われる仏像が置かれていた。 自分の体の悪い部分を撫でる事でご利益があるという。

鐘楼



石碑

紫式部歌碑

日本画家・池田遥頓の筆塚

 

 めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に 雲がくれにし夜半の月影 :紫式部(母)
 有馬山ゐなの笹原風吹けば     いでそよ人を忘れやはする  :大弐三位(娘)


あとがき

 蘆山寺はかって紫式部邸があった場所に建てられたと昭和四十年(1965)に判明した。
 紫式部の曽祖父の藤原兼輔が賀茂川の堤に風流な邸宅「堤第」を建て、ここで紫式部は生まれ育ち、そして結婚生活を送り、一人娘の賢子を育て、源氏物語を執筆したと云う。
 蘆山寺本堂の庭は白砂と苔の庭で「源氏庭」と呼ばれ、苔地には紫式部を表す桔梗が植えられている。


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