JR「京都」駅烏丸口バスターミナルのJRバス乗場(中央口出てすぐ)から[高雄京北線]に乗り、約50分の「槙ノ尾」バス停へ。
下車後徒歩5分、周山街道から清滝川に架かる指月橋(しげつきょう)を渡った対岸の山腹に位置する。
寺伝によれば、天長年間(824〜834)に空海(弘法大師)の高弟・智泉大徳が神護寺の別院として創建したと伝える。
その後荒廃したが、建治年間(1175年〜1178年)に和泉国槙尾山寺の我宝自性上人が中興し、本堂、経蔵、宝塔、鎮守等が建てられた。
正応三年(1290)後宇多天皇より「平等心王院」の称号を得て神護寺より独立した。
寺名: 槙尾山 西明寺
宗派: 真言宗大覚寺派
本尊: 釈迦如来【重文】
開基: 智泉
創建: 天長年間(824〜834)
拝観: 9:00〜17:00 500円
住所: 京都市右京区梅ケ畑槇尾町2
交通: JR京都駅からJRバス、「槙ノ尾」バス停下車、徒歩5分
【履歴】
・2019/09/28(土): 09/24(火)探訪
指月橋 |
山門【京都市有形指定文化財】 |
石標には「槙尾山聖天堂(まきのおさん せいてんどう)」の文字が刻まれている。
聖天堂とは、このお寺の境内にある夫婦和合の神様である歓喜天(かんぎてん)を祀るお堂である。
山門は、一間薬医門で、元禄十三年(1700)の造営である。門前には苔むした石灯篭の傍に三本の老杉が植えられており、門をくぐり抜けた両側には槙の古木が植えられている。
本堂 |
本尊:釈迦如来像【重文】 |
千手観音像【重文】 |
元禄十三年(1700)に桂昌院(五代将軍徳川綱吉の生母)の寄進により再建された。
総ケヤキ造りの建物で桁行七間、梁行四間、内部は梁行に三分されている。中央間が内陣で、両横の脇陣が外陣の役割を果たしており、真言宗寺院の本堂としては特異な平面構造となっている。正面入口の梁上に「霊山鷲心(空海筆)」の扁額が掲げられている。
堂内に釈迦如来像(重文)ほかの仏像が安置されている。
本尊:釈迦如来像(重文)は高さ51cmの小像で、仏師・運慶作と云う。
脇陣に安置されている千手観音像(重文)は平安時代に彫られ、繊細な顔立ちをした立像である。さらに、愛染明王像(鎌倉時代後期)もあった。
表門を潜り境内に入ると右手に聖天堂がある。 聖天堂は元禄時代造営の建造物で、夫婦和合の神様である歓喜天(秘仏)が祀られている。
客殿 |
庭(心字池) |
アショカ王の石柱 |
本堂左後方と短い渡り廊下で結ばれている。造営は本堂より古く、江戸時代前期に移築された。当時は食堂と称して、僧侶の生活や戒律の道場として使用されていた。前列二室、後列三室からなっており、前列南室には九ヶ条からなる「平等心王院僧制」の木札が掲げられている。
心字池の傍にアショカ王の石柱が建っている。
ルンビニ(ネパール国)の石柱に比べるとかなり小さいが、4頭の馬が彫られているのが特徴である。
大正元年(1912)に小松寅吉(福島県)によって彫られた名作とのこと。
鐘楼 |
釣鐘 |
元禄時代造営の建造物で、月潭道澄(1636〜1713)の銘文が刻まれている梵鐘が掛けられている。
拝観開始時間の少し前に伺ったら丁度係の人が顔出したので拝観をお願いし本堂を開けてもらった。 当日一番目の拝観者として静寂の中、本尊の前に座りお参り...。