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[ 京都市右京区/天龍寺 ]
京都市右京区/天龍寺【世界文化遺産】          2015/10/01(木)新規
探訪案内

 天龍寺は、臨済宗天龍寺派大本山で、釈迦如来を本尊とし、京都五山第一位に列せられる名刹である。世界遺産に登録されている。
 足利尊氏が夢窓国師を開山に後醍醐天皇の菩提を弔うために建てられたのが始まりで、創建以来、応仁の乱や禁門の変(蛤御門の変)など八度も大火にみまわれた。 名勝嵐山や渡月橋、天龍寺の西側に広がる亀山公園などもかつては境内地であった。


寺名: 霊亀山 天龍資聖禅寺
宗派: 臨済宗天龍寺派
本尊: 釈迦如来
開基: 足利尊氏
開山: 夢窓疎石
拝観: 庭園(曹源池・百花苑)500円、
   諸堂参拝(大方丈・書院・多宝殿)上記料金に100円追加
   法堂「雲龍図」特別公開 500円(上記通常参拝料とは別)
住所: 京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68
アクセス: JR山陰本線(嵯峨野線)「嵯峨嵐山」駅下車徒歩13分。

【履歴】
2015/10/01(木): 09/29(火)拝観。

総門と勅使門

総門

勅使門

 天龍寺の見学は嵯峨街道(府道29号線)に面した総門より入り石畳の参道を真っ直ぐ進み庫裏に向かう。
 勅使門は総門の左手にある駐車場の奥に位置している。もう使われることも無く、わざわざ足を延ばして見学する人はいないようだった。

法堂

法堂

雲龍図(借用)

 元治元年(1864)の兵火にて焼失、その後明治になり江戸後期建立の雲居庵禅堂(選佛場)を移築、禅宗七堂伽藍のひとつとした。 法堂とは説法堂の意であり、住持が仏に代って衆に説法する場所で、寄棟造・浅瓦葺、東を正面としている。
 天井は鏡天井で、鈴木松年により明治三十二年(1899)に雲に乗る龍の絵が描かれていたが、平成九年(1997)に法堂移築100年・夢窓国師650年遠諱記念事業として加山又造画伯により新しく雲龍図が制作された。 雲龍図は直径9mの大きさで八方睨みの龍となっている。

庫裏

庫裏

 庫裏は明治三十二年(1899)の建立で、七堂伽藍の一つで台所兼寺務所の機能を持つ。方丈や客殿と棟続きで、切妻造の屋根下の大きな三角形の壁を正面に見せる。 白壁を縦横に区切ったり、曲線の梁を用いたりして装飾性を出した建物で天龍寺景観の象徴ともなっている。



達磨図

駕籠

 玄関に入った正面に置かれている大衝立の達磨図は前管長である平田精耕老師の筆によるもの。達磨宗である禅を象徴し、天龍寺の顔ともいえる。


方丈

扁額「方丈」

 方丈は、大方丈と小方丈(書院)からなっている。 大方丈は明治三十二年(1899)、小方丈は大正十三年(1924)に建築されたもの。
 大方丈は天龍寺最大の建物で、正面と背面に幅広い広縁をもち、さらにその外に落縁をめぐらせる。 正面の「方丈」の扁額は関牧翁老師(天龍寺第8代管長)の筆。
 大方丈の本尊は釈迦如来坐像【重要文化財】。 平安時代後期の作とされる。天龍寺が受けた都合8度の火災のいずれにも罹災せ、天龍寺に祀られる仏像の中で最も古い像。
 内部は六間取り(表3室、裏3室)の方丈形式で、中央の「室中」は釈迦尊像を祀る48畳敷き、左右の部屋はともに24畳敷きで3室を通して使うこともでき、欄間の下に襖を立てれば個別にも使用できる。 東は中門に対し、西は曹源池に面する。東側が正面で曹源池側が裏となる。


達磨図(掛軸)

雲龍図(襖絵)

 東西を仕切る襖の雲龍の絵は昭和32年に物外道人によって描かれたもの。物外道人とは若狭物外といい、明治20年秋田県に生まれ、東京芸術学校を卒業後、山元春拳に弟子入りするも自ら絶縁し、富岡鉄斎門下の山田介堂に学んだ富岡鉄斎唯一の孫弟子。


庭園/曹源池

書院側から望む

大方丈から望む

 約700年前の夢窓国師作庭当時の面影をとどめており、わが国最初の史跡・特別名勝に指定されている。
 中央の曹源池を巡る池泉回遊式庭園で、大堰川を隔てた嵐山や庭園西に位置する亀山を取り込んだ借景式庭園でもある。 庭園全体像は寛政十一年(1799)に刊行された秋里離島による「都林泉名勝図会」に描かれた姿をよく残している。 方丈からみた曹源池中央正面には2枚の巨岩を立て龍門の滝とする。 龍門の滝とは中国の登龍門の故事になぞらえたもので、鯉魚石を配するが、通常の鯉魚石が滝の下に置かれているのに対し、この石は滝の流れの横に置かれており、龍と化す途中の姿を現す珍しい姿をしている。
 曹源池の名称は国師が池の泥をあげたとき池中から「曹源一滴」と記した石碑が現れたところから名付けられた。

あとがき

 嵐山・嵯峨野でも渡月橋から竹林の道あたりは観光客で一杯だった。天龍寺も例外ではなく、混んでいたので十分な鑑賞は出来ていない。機会があれば日を改めて訪れることにしよう。


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