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[ 奈良県奈良市/唐招提寺 ]
奈良県奈良市/唐招提寺【世界遺産】         2017/10/01(日)新規
探索案内

 近鉄「西ノ京」駅から東へ進み、50mほど先で薬師寺の西側の塀に沿って北へ600mほど行くと唐招提寺の南塀にぶつかる。ここで右折するとすぐ先に南大門がある。
 唐招提寺は聖武天皇の招きに応じ、苦難の末、日本にやってきた唐僧鑑真和上によって建立された。
 鑑真和上は日本に着いてから5年間、戒壇院での授戒を制度として確立するために東大寺で過ごした。 その後、故新田部親王(天武天皇の第七皇子)の旧宅を賜り、そこを「唐律招堤」と称し、戒院として教学の場を創設した。 これが現在の律宗総本山唐招提寺の味まりである。

寺名: 律宗総本山 唐招提寺
宗派: 律宗
本尊: 廬舎那仏
拝観: 600円、新宝蔵館(200円)
住所: 奈良県奈良市五条町13-46
アクセス: 近鉄橿原線「西ノ京」駅より南門まで徒歩10分。

【履歴】
・2017/10/01(日): 09/26(火)探訪

南大門

南大門

扁額「唐招提寺」

世界遺産登録記念碑

 唐招提寺を訪れた人がまず目にする建造物だ。 昭和三十五年(1960)に天平様式で再建されたもので、五間の中央に三扉の切妻造りの建物である。 現在掲げられている扁額は複製で、実物は講堂内に収蔵されている。

金堂【国宝】

金堂

 南大門を潜った正面に建つ金堂は、八世紀後半の創建時の姿を残す代表的な建築物である。 外観は、正面間口七間(中央間は約4.7m、両端へは次第に狭くなり、3.3m)、奥行き四間の寄棟造で、前面一間通りが吹き放ち、軒を支える組み物は三手先と呼ばれる形式で、その建立年代を示している。 堂内は、連子窓から取り入れられた柔らかな光に満たされ、中央に本尊・盧舎那仏坐像、右に薬師如来立像、左に千手観音立像(いずれも国宝)が並ぶ姿は、天平時代を彷彿させる厳かな雰囲気に包まれている。

鼓楼【国宝】

鼓楼

 金堂・講堂の中間の東側に建つ、2階建ての建築物である(鎌倉時代/仁治元年(1240))。
 名称は「鼓楼」だが、現在は鑑真和上将来の仏舎利を奉安しているため、「舎利殿」とも呼ばれている。 外観は、上下階とも扉と連子窓で構成され、縁と高欄が取り付けられている。 堂内の厨子には、仏舎利を収めた国宝の金亀舎利塔が安置されている。


講堂【国宝】


 奈良時代(八世紀後半)に建てられた平城宮の東朝集殿を移築・改造したもの。 外観は平屋の入母屋造本瓦葺で、現在の姿は鎌倉時代の改造によるところが大きいといわれている。 天平時代、平城宮の面影をとどめる唯一の建築物としてきわめて貴重な存在である。 内部には、本尊弥勒如来坐像(重文、鎌倉時代)と、持国天、増長天立像(重文、奈良時代)の他、多くの仏像が安置されている。

礼堂・東室【重文】

礼堂

 鼓楼の東に位置する南北19間の細長い木造・入母屋造・本瓦葺の建物の南側8間が礼堂だ。 鎌倉時代の建物で北側10間は東室で、その間の1間は、馬道と呼ばれる通路になっている。 講堂を挟んだ西側にも同様の建物があり、僧房として使われていた。
 礼堂は、隣の鼓楼に安置された仏舎利を礼拝するための堂で、内部に釈迦如来立像【重文】・日供舎利塔を安置している。


宝蔵、經堂【国宝】

経蔵

宝蔵

 礼堂の東側に宝蔵とともに並んで建つ高床式の校倉(あぜくら)で、小さいほうが経蔵である。 校倉・寄棟造・本瓦葺の奈良時代(八世紀)の建物である。 唐招提寺創建以前の新田部親王邸の米倉を改造したものといわれ、唐招提寺で最も古い建造物であり、日本最古の校倉である。
 宝蔵は経蔵と並んで建つ校倉で、北側の蔵である。校倉・寄棟造・本瓦葺の奈良時代(八世紀)の建物である。 唐招提寺創建にあわせて建立されたといわれ、経蔵より一回り大きいその堂々たる姿は、校倉の典型といえる。

開山堂


 開山堂は元禄時代に徳川家歴代の御霊殿として建立され、その後明治十四年(1881)に鑑真大和上の尊像を安置するため現在の位置へ移築された。 国宝の和上像が御影堂へ移されたのち、覚盛上人・聖武天皇・徳川家康を安置した本願殿として参拝されていたが、この度、御堂の老朽化をうけて改修工事を行い、鑑真大和上円寂から1250年になる平成25年(2013)、大和上のお姿を写した「御身代わり像」が造られ、再び開山堂として落慶致した。


御影堂【重文】


 もともは興福寺の別当坊で、明治維新以降には奈良地方裁判所として使用されていた建物を昭和三十八年(1964)にこの地に復元移転。 現在は国宝の鑑真和上坐像が奉安されている。


開山御廟

 境内の北東の奥まった静かな場所に位置する鑑真和上の墓所である。




 同時期の高僧の中では唯一、1250年の永きに亘って、参拝する人が途絶えない。 現在は御廟前に和上の故郷・揚州から贈られた瓊花が植えられ、初夏にその可憐な花を咲かせる。

あとがき

 唐招提寺は修学旅行の団体で混雑していた。しかも彼らは重要文化財の東室で柿の葉寿司の弁当昼食!。当方はこれから向かう近鉄奈良駅までお預けなのになー。
 そんな中、中国僧侶の一団も混じり参拝していた。そして、鑑真和上御身代わり像の祭られた開山堂ではお経を唱え礼拝する場に出くわす。 一緒にお参りし、更に開山御廟への参拝にも同行。いつもとはチョット違う雰囲気で巡れて得した気分。

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