事事関心! 仏閣探訪:
[ 大阪府大阪市/勝鬘院(愛染堂) ]
大阪府大阪市/勝鬘院(愛染堂)        2021/10/31(日)新規
探訪案内

 大阪メトロ谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅で降りD番出口から南方向に進み、大阪星光学院の北壁沿いの道へ右折。 そのまま真っすぐ進むと突き当りに大江神社が見え、その手前右手に「勝鬘院(愛染堂)」がある。
 勝鬘院(愛染堂)の歴史は、今を遡ること1400年ほど昔の飛鳥時代の推古天皇元年(593)、聖徳太子は、敬田院、施薬院、療病院、悲田院からなる日本最古の官寺(国公式の寺院)として四天王寺を建立した。 その中の施薬院は、あらゆる薬草を植え、病に応じてあまねく人々に与えられるようにと四天王寺の北西の角(現在の愛染堂の場所)に建立された。 四天王寺の施薬院が「勝鬘院」というもう一つの名前を持っている経緯は、この場所で聖徳太子が勝鬘経というお経を人々に講ぜられた場所と伝わることから、「勝鬘院(しょうまんいん)」と呼ばれるようになった。 また、当寺は「愛染堂」「愛染さん」とも呼ばれ親しまれている。 平安時代、弘法大師空海によって密教が日本に伝わると、金堂に愛染明王が本尊として奉安され、愛染明王信仰の普及とともに、勝鬘院全体が四天王寺の「愛染堂」と通称されるようになった。

寺院: 荒陵山 勝鬘院(別名: 愛染堂、愛染さん)
宗派: 和宗
本尊: 愛染明王
開山: 聖徳太子
開創: 推古天皇元年(593)
札所: 西国愛染十七霊場第1番、聖徳太子霊跡第29番
参拝: 無料
住所: 大阪市天王寺区夕陽ヶ丘町5-36
アクセス: 大阪メトロ谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅D番出口から徒歩3分

【履歴】
・2021/10/31(日): 10/26(火)参拝。

薬医門(赤門)



 本柱2本の後方に控柱2本を建てた門のことを世間一般に"藥医門"と呼ぶが、聖徳太子が愛染堂を創建された当初、この場所が施薬院だったこともあり、まさに正真正銘の薬医門であるといえる。

金堂

金堂

秘仏本尊・愛染明王

 薬用門を潜ると広い境内があり、正面中央に構える朱塗りの金堂が聳えている。 金堂は推古天皇元年(593)聖徳太子によって創建された。 その後、織田信長の大阪石山寺攻めの際に焼失したが、徳川幕府二代目将軍・徳川秀忠の手によって再建された歴史ある建物である。
 内部の構造は、江戸時代の様式を伝えるもので、大阪府の指定文化財に選ばれている。 金堂の壁に掛けられた献灯は、江戸時代の近松門左衛門『冥途の飛脚』や、井原西鶴『男色大鑑』にも描かれている由緒ある風物である。

多宝塔【重文】


 多宝塔は金堂の後ろにそびえ建っており、推古天皇元年(593)聖徳太子によって創建された。 その後、こちらも織田信長の大阪石山寺攻めの際に焼失したが、慶長二年(1597)豊臣秀吉により再建された。 大阪市内最古の木造建造物として国の重要文化財に指定されている。
 多宝塔の内部には、秀吉が戦勝祈願のために造像させたといわれる大日大勝金剛尊像と、極彩色で描かれた十二天の壁画と柱絵が奉安されている。 高さ22m、広さ120u。


あとがき

 参拝した時は小雨模様の天気もあり、参拝者は誰一人いなかった。猫もいなかったかな。

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