事事関心! 仏閣探訪:
[ 東京都世田谷区/世田谷山観音寺 ]
東京都世田谷区/世田谷山観音寺       2019/11/03(日)新規
探訪案内 

 世田谷山観音寺は、事業家であった大僧正睦賢和尚が昭和25年に創建した。江戸三十三観音霊場32番である。

寺名: 世田谷山観音寺(通称: 世田谷観音)
宗派: 天台宗系単立
本尊: 聖観世観菩薩像
創立: 昭和二十六年
開山: 睦賢和尚
札所: 江戸三十三観音霊場32番
拝観: 無料
住所: 東京都世田谷区下馬4-9-4
交通: 目黒駅前2番乗場「黒06: 三軒茶屋行」に乗車し、「世田谷観音」バス停下車すぐ。

【履歴】
・2019/11/03(日): 11/01参拝。

山門 

山門

密迹力士像

金剛力士像

 この門は本堂、六角堂と同じく中野家より移築されたもので、その際に六角堂と切り離し、両袖部分が増築されている。
 仁王像二体は、平安時代後期の作で、世田谷区内に現存する仏像の中でも最古のものに属している。 向って右が金剛力士像、左が密迹力士像だ。像高は約270cm。

観音堂(本堂) 


 山門を潜ると石畳の参道が真っ直ぐ観音堂迄奔っている。本堂なのに小さくて「あれ?!」と一瞬場違い感を覚えてしまう。
 本堂は中に上がって参拝でき、しかも写真撮影OK!だ。



聖観世音菩薩

月光菩薩

日光菩薩

大黒尊

布袋尊

 本尊の聖観世音菩薩はかつて伊勢長島(三重県)の興昭寺の秘仏だったが、当山に迎え、昭和二十六年五月十三日、金龍山浅草寺に請い、開眼の法を修し今日に至っている。 また日光・月光菩薩は、薬師瑠璃光浄土の菩薩で、南北朝時代(14世紀中頃)足利幕府に重用されていた院派仏師の作と推測されている。

不動堂 


 堂内には鎌倉時代の大仏師運慶の孫にあたる康円の手による「不動明王ならびに八大童子」が本尊として奉安されている。 旧国宝で、現在は国重要文化財に指定されている。
 八大童子を従えた不動明王像は関西では高野山に安置されている運慶作の尊像、関東ではこの康円作と、国内ではわずか2体しか残っていない。


阿弥陀堂 


 京都の二条城より移築されたもので、三層の建物は金閣寺を模したものといわれている。 屋根には鳳凰、三階の軒下には「韋駄天」の扁額が掲げられている。
 堂内には本尊阿弥陀如来を始め、観世音菩薩、地蔵菩薩が脇侍に、左甚五郎作の鬼念仏とスポーツの神とされる韋駄天神、東方朔が安置されている。 さらに目黒羅漢寺に安置されていた五百羅漢坐像のうち、九体が当山に奉安されており、東京都指定有形文化財に指定されている。


特攻観音堂 


 かつて華頂の宮家の持念仏堂で、天井には当時をしのばせる菊の御紋が見られ、特攻平和観音尊像が奉安されている。


鐘楼 



 旧石薬師寺所蔵だったもの。梵鐘は奈良極楽寺什物で慶長十年(1605)の銘があり、現役の鐘楼としては区内最古のものである。


本坊 



 旧小田原藩代官屋敷だったものを移築した。寄せ棟造り瓦葺きとなっているが、当初は茅葺きだった。


あとがき

 一風変わった建物が多く歴史を感じるが、寺そのものは昭和二十六年と自分と同年配とは!!。 文化財の保存を考えるとこんな事例は好ましいものだと思う。


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