事事関心! 神社探訪:
[ 滋賀県大津市/日吉大社 ]
滋賀県大津市/日吉大社           2023/10/04(水)新規
あらまし

 滋賀県大津市坂本にある日吉大社は全国に約3,800社ある日吉・日枝・山王神社の総本社である。通称「山王権現」とも呼ばれる。 猿を神の使いである神猿(まさる)とする。西本宮と東本宮を中心とする400,000m2の境内は国の史跡に指定されている。 社名の「日吉」はかつては「ひえ」と読んだが、第二次世界大戦後は「ひよし」を正式の読みとしている。

社名: 山王総本宮 日吉大社(別名: 山王権現)
祭神: 西本宮/大己貴神(大国主神)、東本宮/大山咋神
創建: 崇神天皇7年()
札所: 神仏霊場巡拝の道第149番(滋賀第17番)
住所: 滋賀県大津市坂本5丁目1-1
料金: 大人300円
アクセス: JR湖西線「比叡山坂本」駅より県道316号線を山側へ徒歩20分。

【履歴】
・2023/10/04(水): 2023/10/04(水)探訪。

表参道 

赤鳥居

山王鳥居

 県道316号線に面した表参道入口は朱色に塗られた大きな赤鳥居(三ノ鳥居)が建っており、鳥居の後ろに大きく見える八王子山までが社地になっている。  表参道から境内に入ると、大宮川のせせらぎが出迎えてくれる。心地よい清流の響きを聞きながら進む参道は、しだいに豊かな緑が広がっている。
 石の橋を渡り、"山王鳥居"(四ノ鳥居)が建っている。山王鳥居は、その上部に比叡山延暦寺を示す山形をのせる独自の形式で「山王鳥居」(合掌鳥居、総合鳥居)と呼ばれている。

 鳥居を潜り、神社へ入る料金は大人300円。 まずは西本宮方面へ行くため、重要文化財にも指定されている大宮橋を渡る。 日吉三橋のひとつに数えられ、秀吉が寄進したと伝えられている。
 橋から続く坂を上り、山王鳥居を潜る。右手には惣社。左手に社務所が建ち、参道が続く。 本宮の前には楼門が建つ。

西本宮 

楼門【重文】

西本宮楼門【重文】
 西本宮入口の楼門は白塗りの壁に朱色の建物で天正十四年(1586)に再建された。 東本宮と同じ形式で、入母屋造の檜皮葺き。 楼門の軒下四隅の猿の彫刻や極彩色の蟇股が特徴として知られている。



拝殿【重文】

西本宮拝殿
 西本宮拝殿は、方三間、一重、入母屋造、桧皮葺、妻入りを特徴とする建造物。 柱間は、 四方開け放しの舞殿形式。
 お祓いなどの神事はここで行われる。天正十四年(1586)本殿と同時に再建された



本殿【国宝】

西本宮本殿
 祭神は大己貴神。崇神天皇七年に創建されたが、織田信長の比叡山焼き討ちで全焼し天正十四年(1586)に再建された。 慶長二年(1597)に改修が成されている。上七社(山王七社)。かつて床下にある下殿で仏事が行われた。 檜皮(ひわだ)葺きで、屋根は日吉造という日吉大社特有の形式である。 正面から見ると入母屋造に見えるが、背面中央の庇(ひさし)部分の軒を切り上げ、この部分が垂直に断ち切られたような形態(縋破風)になっているのが特色である。

宇佐宮 

拝殿

本殿

宇佐宮拝殿【重文】
 慶長三年(1598)再建。
宇佐宮本殿【重文】
 祭神:田心姫神。仁和年間(885 - 889)創建。慶長三年(1598)再建。 上七社(山王七社)。西本宮本殿、東本宮本殿と同様、屋根は日吉造である。

白山宮 

拝殿

本殿

白山姫神社拝殿【重文】
 慶長六年(1601)再建。
白山姫神社本殿【重文】
 祭神:白山姫神。慶長三年(1598)再建。上七社(山王七社)。




 また、境内には大宮川が流れているだけでなく小さな清流も沢山見ることができる。 小さな滝には心癒される気がする。
 東本宮の前には猿が腰かけている姿に似ていることからその名がついた「猿の霊石」がある。


東本宮 

楼門【重文】

東本宮楼門
 天正・文禄年間(1573 - 1596)再建。
 東本宮の前に建つ楼門は、西本宮と同じ形式、同じ色合いで彩られたもの。 同じように重要文化財に指定され、奥に控える社殿を囲うように塀が設けられている。


楼門の先にある社殿は、西本宮と比べて多くの社殿が配置されている。 西本宮は本殿と拝殿のみの配置だったのに比べ、東本宮には13件もの建物がある。 祭神を祀る本殿と、祭神と関係する神々や神輿庫などが置かれている。 特に印象が深かったのは社殿だけではなく、言い伝えとして残っている木々。 女性が男性を思うときに使用する、またはその逆や手紙のルーツとなった多羅葉の木など。 東本宮には多くのものが祭られており、西本宮に比べ賑やかな印象がある。


東本宮拝殿【重文】

東本宮本殿【国宝】

東本宮拝殿【重文】
- 文禄五年(1596)再建。
東本宮本殿【国宝】
- 祭神:大山咋神。天智天皇七年(668)創建。文禄四年(1595)再建。上七社(山王七社)。 日吉造。牛尾神社の里宮でもある。明治元年(1868)から昭和三年(1928)までは祭神が大己貴神(大物主神)であったため、「大神(おおみわ)神社本殿」と呼ばれていた。 かつては現在地の北西にあった。建築形式は西本宮本殿に似ている。


樹下宮本殿【重文】

樹下神社拝殿【重文】
 文禄四年(1595)再建。
樹下神社本殿【重文】
 祭神:鴨玉依姫命。天仁二年(1109)創建。文禄四年(1595)再建。上七社(山王七社)。三宮神社の里宮でもある。本殿の真下に霊泉の井戸がある。樹下神社本殿・拝殿の並びは東本宮本殿・拝殿・楼門の並びに対して直交している。樹下神社はかつては十禅師社と呼ばれていた。十禅師とは瓊々杵命のことで、瓊々杵命が国之常立神から数えて十代目の子孫であることから名付けられたものであるが、なぜそれが樹下神社の別称なのかは不明。

三宮宮遥拝所、牛尾宮遥拝所

三宮宮遥拝所、牛尾宮遥拝所

 三宮宮と牛尾宮は、この二棟の遥拝所の間の大きな石段を八王子山(標高381m)山頂へ約1km(30分)登った処にある。
 今回はパスだ!!


あとがき

 神社境内に入るのに料金(入苑協賛金)を徴収するという珍しい神社だ。


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