全国に3000社ある春日神社の総本社である春日大社。 その歴史は今から約1300年前、飛鳥から平城京へと都が移された奈良時代から始まる。 創建以来、聖域とされ守られてきた原始林の中に鮮やかな朱塗りの社殿が鎮座。二十年ごとに御本殿や社殿を造り替える「式年造替」によって、つねに若々しく力強い神様の力が境内に満ちている。 平成十年(1998)には、春日大社や春日山原始林を含む「古都奈良の文化財」がユネスコの世界遺産に登録された。
社名: 春日大社
祭神: 春日神(武甕槌命、経津主命、天児屋根命、比売神の総称)
創建: 神護景雲二年(768)
住所: 奈良市春日野町160
アクセス: 近鉄「奈良」駅よりバスで5分。
【履歴】
・2021/10/31(日): 10/26(火)探訪。
一之鳥居 |
参道 |
二之鳥居 |
一の鳥居から真っ直ぐ伸びる表参道は萬葉植物園付近から緩やかに曲がり、森の雰囲気が深くなる。 参道両脇の石灯籠は平安時代以来、現在まで寄進が続いており、その数二千基を数える。
祓戸神社 |
着到殿 |
二の鳥居のすぐ先左手に祓戸神社がある。この先の参道両脇には石灯籠が密度高く並ぶ。
南門は春日大社の南回廊にあり、表参道を歩いて回廊内に入る時に潜る門で、高さは12mあり春日大社最大の楼門である。 平安時代中期頃藤原氏の長者や摂関による春日詣がはじまり、その際の参向門とされた。 廻廊が作られた頃には現在のような二階建ての立派な楼門となり、春日大社の正門としての性格を持つようになった。
南門を潜ると正面にある建物で、東側2間を幣殿、西側3間を舞殿という。 幣殿は天皇陛下のお供え物である御幣物を一旦納める建物であり、天井板は"格天井"となっていて舞殿と区別している。 舞殿は宮中伝来の御神楽を行うための建物であり、また雨天時に神楽や舞楽を奉納する場所である。
春日大社境内南側には「おん祭」で有名な若宮社が鎮座し、その周辺は昔、参詣に訪れた人々が様々な思いを胸に、神巡りをした場所として伝えられている。
若宮15社巡り | ||||
第一番: 若宮神社 | 第二番: 三輪神社 | 第三番: 兵主神社 | 第四番: 南宮神社 | 第五番: 広瀬神社 |
第六番: 葛城神社 | 第七番: 三十八所神社 | 第八番: 佐良気神社 | 第九番: 春日明神遥拝所 | 第十番: 宗像神社 |
第十一番: 紀伊神社 | 第十二番: 伊勢神宮遥拝所 | 第十三番: 枚岡神社遥拝所 | 第十四番: 金龍神社 | 第十五番: 夫婦大國社 |
御間道(おあいみち) |
若宮神社【重文】 |
春日大社の本宮と若宮神社の間を結ぶ道なので御間道と呼ばれ、道の左右には、御間型灯籠と呼ばれる古い石灯籠が立ち並んでいる。
若宮神社は春日大社の摂社で、大宮から南へ約100mの処に鎮座している。祭神は天押雲根命で、長保五年(1003)大宮本殿の第四殿に蛇の姿で現れたといい、保延一年(1135)藤原摂関家の発願により社殿が造営され遷座が行われた。
夫婦大国社 |
広瀬神社 |
三十八所神社 |
若宮神社の先には夫婦大国社、広瀬神社、葛城神社、三十八所神社などの「福の神十二社」と名付けられた摂社や末社が並んでいる。
宗像神社 |
葛城神社 |
赤乳・白乳両社遥拝所 |
金龍神社 |
紀伊神社 |
今回は本殿の拝観は行わなかった。