JR東海道線「河府津」駅でJR御殿場線に乗り換え「下曽我」下車、歩いて約15分の曽我丘陵の麓にある。
瑞雲寺は、曹洞宗の寺で津久井の大井山功雲寺の末寺である。相州黒岩城主本多豊前守が日頃帰依していた功雲寺の五世仁忠継義和尚を招請し、明応元年(1492)に創立された。
寺院: 龍珠山 瑞雲寺
宗派: 曹洞宗
本尊: 十一面観世音菩薩
住所: 小田原市上曽我902
アクセス: JR御殿場線「下曽我」駅下車、徒歩15分
【履歴】
・2015/04/12(日): 4/12(日)散策。
社号標の後ろには梅林が拡がっている。二月に催されている梅まつりの時期には観梅客が絶えないほど賑わうという。
本堂は関東大震災で倒壊、昭和二年(1932)に再建された。
本堂の内陣には、本尊の釈迦牟尼仏、守本尊の十一面観世音菩薩が安置されている。
力不動祠 |
不動根 |
本堂右手の崖の途中に力不動尊が祭られている。
ここの力不動尊は、曽我兄弟が父の敵を討つため願文を納め祈願した石像で、正しく生きようとする人に強い力を貸してくれると云う。
なお、この不動尊は大山不動尊の前不動で曽我剣沢にあったものを江戸時代後期に移したものと云う。
祠の裏側に男根の形をした石造物「不動根」が置かれていた。男性の場合強く握ることで大きな力と逞しさを、女性の場合は跨ぐことでよい子宝が授けられるかも?という。何はともあれ強く握っておいたが、御利益は如何に...。
鐘楼 |
眺望のよい高台にあるので、遠くまでよく聞こえるようだ。
石仏群 |
閻魔大王 |
? |
六観音座像石がん |
境内には格調高い諸塔・石仏・石造物群が多く存在し、歴史や文化遺産が秘められ、この地方の民間信仰の面影を今に伝えている。
寺の入口を入ってすぐ左側、大きな石碑と説明板が建っている。
明治時代、小学校の制度は全国的に普及したものの、それより上級の進学は不可能に近い状況が多かった。
瑞雲寺21代龍跳(りゅうちょう)和尚は、この不備を救うため寺の本堂でこの地域の青年を教導し、やがて明治43年, ここで校舎の建設に着工した。自修学校と称し、落成は大正2年2月であった。
教科は修身・国語・ 漢文・英語・数学(代数・幾何)・珠算など、後の旧制中学校3-4年程度を教えたという。
大正15年、規模を拡大するため東方の台地上に移転し、後に校名は湘北中学校・湘北高等学校・向上高等学校と改名した。明治・大正・昭和にわたり、この私学の果たした地域への貢献はまことに大きかったと云う。
本堂右手の力不動の崖を回り込むように坂道を上ると展望台が設けられている。
眼下に小田原の街が拡がっているのが眺められる。ほんの一月前だったら梅の花が見頃でより良かっただろうなー。
境内には自分一人だけ、子猫一匹いなかった。梅まつりの時期を外れると観光客等、訪れる人は極端に少ないようだ。