川崎市にある神社に参拝した記録である。
　初回は｢川崎と言ったら川崎大師でしょう!｣ということで京急｢大師線｣沿線を探索し6社を巡った。そして二回目は最近開発が進む武蔵小杉を探訪した。続く三回目は駅近の女躰神社を訪れた。

NO.	神社名	住所	拝観期日	備考
01	水神宮	川崎市川崎区殿町2ｰ1ｰ20	2014/01/22	京急大師線｢小島新田｣駅
02	田町稲荷神社	川崎市川崎区田町2ｰ3ｰ5	2014/01/22	京急大師線｢産業道路｣駅
03	厳島神社	川崎市川崎区日ﾉ出2ｰ6ｰ3	2014/01/22	京急大師線｢小島新田｣駅
04	神明神社	川崎市川崎区川中島1ｰ12ｰ12	2014/01/22	京急大師線｢川崎大師｣駅
05	若宮八幡宮	川崎市川崎区大師駅前2ｰ13ｰ16	2014/01/22	京急大師線｢川崎大師｣駅
06	稲毛神社	川崎市川崎区宮本町7ｰ7	2014/01/22	JR｢川崎｣駅
07	大戸神社	川崎市中原区下小田中1-2-8	2014/12/22	JR南武線｢武蔵中原｣駅
08	上小田中神明神社	川崎市中原区上小田中6-43-1	2014/12/22	JR南武線｢武蔵中原｣駅
09	春日神社	川崎市中原区宮内4-13-2	2014/12/22	JR南武線｢武蔵中原｣駅
10	小杉神社	川崎市中原区小杉御殿町1ｰ1010	2014/12/22	JR南武線｢武蔵中原｣駅
11	丸子山王日枝神社	川崎市中原区上丸子山王町1ｰ1555	2014/12/22	東急東横線｢武蔵小杉｣駅
12	今井神社	川崎市中原区今井上町197	2014/12/22	東急東横線｢武蔵小杉｣駅
13	市ノ坪神社	川崎市中原区市ﾉ坪54	2014/12/22	東急東横線｢武蔵小杉｣駅
14	住吉神社	川崎市中原区木月1-20-1	2014/12/22	東急東横線｢元住吉｣駅
15	女躰神社	川崎市幸区幸町1ｰ994	2015/05/01	JR｢川崎｣駅
16〜は｢神社探訪: 神奈川県川崎市�A｣にまとめている

・2014/01/22(水): 大師線沿線を探索
・2014/12/24(水): 12/22(月)武蔵小杉周辺を探訪
・2015/05/01(金): 05/01(金)女躰神社を探訪

　京急大師線｢小島新田｣駅で下車。駅北側に出て、少し戻った処にある線路と直行する道を太師道を超え北上10分。丁字路に突き当たったら左折すると100m程先右手に鎮座している。

鳥居

拝殿

　創建は江戸時代で、新田開発が行われた大師河原・旧稲荷新田の村社として建立された。
　御神体は灌漑用水の神｢天津罔象女神(あまつみずはのめのかみ)｣である。 また、慶安元年(1648)に社領3石が与えられた徳川家光からの朱印状が残っている。

乳出地蔵尊

道祖神像

　境内右奥の道祖神｢乳出地蔵尊｣。稚児を胸に抱いた地蔵尊像でこの造形は珍しく、子育ての神として地元の人々から篤い信仰を集めている。

　京急大師線｢産業道路｣駅で下車。産業道路を渡り、首都高速神奈川６号川崎線を100mほど東へ進み脇道へ右折、途中で京急大師線を超え、2つ目の五叉路で左折すると右手にある。

鳥居

拝殿

偏額｢稲荷神社｣

　新田開発の始まった寛永二年〜延宝八年(1625〜1680)の頃に、旧清宝院の敷地内に弁財天が祀られて いたが、宝暦十四年(1764)、豊作を祈る御稲荷様が左側に勧請された。 昭和二十七年(1952)に現在地に遷座した。

手洗石

力石

　手洗石は延宝八年(1680)に奉納されたもので、市内最古のものであるという。

　力石：　「さし石三十二メ目　田町　仙太郎」70�p　34�p　25�p
　　　　　「四十五貫目　□□」70�p　33�p　25�p

　京急大師線｢小島新田｣駅で下車。線路際の道を30mほど戻り、南へ向かう。徒歩約10分、｢厳島神社前｣交叉点の左手に鎮座している。

鳥居

拝殿

偏額｢厳島神社｣

出来野稲荷神社

　祭神は市杵嶋比売神(イツクシマヒメノカミ)。かつては出来野弁財天と呼ばれていた。
　寛永二年(1625)以降進められた稲荷新田の開発後、住居や田畑、用水路が整った17世紀後半頃に、新開地の風水害からの御加護を祈念し勧請されたと考えられている。
　海苔養殖の守護神として崇められている。

　京急大師線｢川崎大師｣駅下車。駅前から南へ向かう道を200mほど進むと左手に川中島小学校がある。神社は校舎と道路を隔てた北側に鎮座している。

鳥居

拝殿

創建は建武年間(1334〜1335年)と伝えられる古い神社。 昭和10(1935)年の600年祭に奉納された鳥居や、当地出身である昭和初期の大政治家、鈴木喜三郎翁の揮毫による600年祭記念碑が残っている。 御祭神は天照大神。

手水舎

さいの神

「歳の神」には、風邪などの予防や快癒を祈願する人が大勢訪れた。 お堂に奉納されている麻ひもを借りて首に巻き願掛けする。子育て地蔵姿のものは大変珍しいという。

　京急大師線｢川崎大師｣駅下車。駅前から南へ向かう道を約100mほど進むと右側にある。

鳥居

拝殿

偏額｢若宮八幡宮｣

　大師河原村の鎮守だ。八幡塚六郷神社の氏子(八幡氏子)が、大師開拓のおり移り住み、祀ったのが当神社であり、応神天皇の若宮が御祭神であるので若宮八幡宮と呼ばれてる。
　干拓事業の守護神(仁徳天皇は淀川の治水工事をして大阪平野を干拓したと伝えられる)として、また「高殿に登りて見れば 煙り立つ 民の竈は賑わいにけり」の歌の伝説から洪水に悩まされ貧しい生活に明け暮れた開拓民の「生活苦を救う神」として祀ったものといわれている。 なお若宮との名から子供、若者の守護神でもある。

金山神社[俗称かなまら様]

(先代)

　若宮八幡宮境内に拝殿に隣接して建つ金山神社は川崎大師駅東踏切付近から大正時代にここ若宮八幡宮境内に遷座した。
　祭神は鍛冶の守護神である金山比古、金山比売 (カナヤマヒコ、カナヤマヒメ) だ。 イザナミの神が火の神カグズチを産み下半身に大火傷を負った時、この神が看病したとの伝説からお産、下半身の病気の守護神と言われ、川崎の飯盛り女達からお金を造る神、性病除けの神として信仰されていた。 今は子授け、夫婦円満、商売繁昌の神として全国から信仰を集めてる。 また 祭の神として鉄工関係の会社や金物店等の信仰も厚い。
　伊勢町の伊勢社、大師駅の前に祀られていた稲荷社が合祀してある。

力石

　若宮八幡宮には11個の力石がある。

　JR｢川崎｣駅より市役所通りを東へ向かう。国道15号線にぶつかったら左折するとすぐのところに鎮座している。

鳥居

拝殿

神額｢稲毛神社｣

　社伝によれば、第十二代景行天皇が東国巡遊の折当神社に賊難を避けられたと云う。 第二十九代欽明天皇の御代、この地方に動乱が絶えなかったため、天皇は当神社に幣帛・七串を奉り、新たに経津主神、菊理媛神、伊弉諾神、伊弉冉神を配祀し、戦勝とその後の親和協力を祈り、以後長く勅願所であったと伝えられている。
　鎌倉時代には将軍家より社領700石を賜り、佐々木四郎高綱公が源頼朝公の命を受けて御社殿の造営に当たった。
　家康公が江戸入部に際した巡見の折り当社に参拝し、随神門、神馬等の寄進をしたと伝えられている。 江戸時代中期以降は、川崎宿および河崎七ヶ村の鎮守として広く近隣一円の崇敬をあつめた。
　初め祭神の御名から｢武甕槌宮｣と称していたが、平安時代末期にこの地を領有した河崎冠者基家(秩父平氏)が山王権現を勧請して以後、｢河崎山王社｣｢堀之内山王権現｣｢五社山王｣｢三社宮｣などと呼ばれていた。 しかしながら山王権現の称号は、慶応四年、征討のため下向中の有栖川宮熾仁親王が当神社にて休憩の折の言葉「御社名、新政府の神仏分離の方針に相応しからず」により、鎮座地｢武蔵国稲毛庄｣の名をとり｢川崎大神稲毛神社｣と改称した。 その後、一時｢川崎大神宮｣と呼ばれた時期もあったが、明治中期には｢稲毛神社｣と改称された。
　江戸中期の宝永年間に造営された社殿が昭和二十年の空襲により灰塵に帰したため、昭和三十八年鉄筋コンクリ−ト神明造りの現社殿が新築された。

　JR南武線｢武蔵中原｣駅下車。駅前から南へ向かう道を進み中原街道に出る。街道を西へ約100mほど進むと右側にある。

鳥居

拝殿

神額｢大戸神社｣

　世田谷吉良氏の家臣内藤豊前の舎弟内藤内匠之助が永正年間（1504-1521）に戸隠明神として当地に創建したと云う。 明治三十九年に下小田中にあった稲荷社・天神社等を合祀している。

　JR南武線｢武蔵中原｣駅下車。北口に出て駅前の富士通沿いの道を北へ向かう。

鳥居

拝殿

神額｢神明神社｣

　宝永年間(1704-1710)の創建と伝えられている。

　平治元年(1159)-承安元年(1171)頃、現在の中原区の宮内から井田の地域にかけて稲毛荘とよばれる荘園が成立、領主であった藤原氏九条家の氏神である大和春日大社（奈良県）の祭神を勧請して創建したと考えられている。 当地旧宮内村の鎮守となっていた。

　JR南武線｢武蔵中原｣駅下車。駅前から武蔵小杉方向へ向かい、｢上小田中｣交差点で中原街道に折れる。 東京方向へ進み、｢小杉十字路｣交差点の先の左手脇道に入ると正面に小杉神社の鳥居が見える。

　江戸時代小杉村と呼ばれていた当地周辺には杉山社、神明社、及び神明社の相殿に総社権現の三社があり、三社とも小杉村の鎮守となっていたと云う。 総社権現は多摩川の決壊に伴い神明社に合祀していた。昭和二十六年(1951)三社を合祀、小杉神社と改称した。

　JR南武線｢武蔵小杉｣駅下車。北口から駅前の道を東(分倍河原方向)へ向かう。 ｢山王町1｣交差点で東へまっすぐ向かう脇道に折れ、交通信号のある交差点で北へと折れると約30mほど先にある。

　所蔵の由緒書によれば、今から1200年ほど前の平安時代の初め、大同四年(809)に創建された。 京都に平安京をつくった第五十代桓武天皇の御子の貞恒(さだつね)親王の次男恵恒僧都(えこうそうず)《山本平左衛門 尉恒重(へいざえもんのじょうつねしげ）》と弟の次郎左衛門尉恒明が滋賀県大津市の日吉大社の御分霊を勧請し、丸子庄総鎮守（中原区丸子地区の守り神）「丸子山王権現」として創建された神社である。 治承二年(1178)には小松内大臣平重盛公により社殿が再建され、今も社宝とされている小太刀を奉納したと伝えられている。
　丸子山王日枝神社の祭神は｢大己貴神(大国主神)｣である。 この神は｢大黒様｣として広く親しまれ、医薬の神、農業・商工業・漁業の守護神、縁結び・福の神として信仰されている。

　JR南武線｢武蔵小杉｣駅下車。北口から駅前の道を西(武蔵中原方向)へ向かい、府中街道の先川沿いの路の次の右手脇道に折れると約50mほど先にある。

鳥居(明神鳥居型)

拝殿

　鎌倉右大将家(源頼朝)の頃に小宮筑後守入道道康の霊を祀り創建したと伝えられている。 山王社と称していたが、明治時代に入り｢日枝神社｣と改称、明治四十三年旧今井村内にあった弁財天社・稲荷社を合祀、｢今井神社｣と改称した。

　東急東横線｢武蔵小杉｣駅下車。南口から線路沿いの路を元住吉方向に向かうと府中街道を超えてその先約50mほどのところにある。

鳥居(明神鳥居型)

拝殿

神額｢市ノ坪神社｣

　当地旧市ノ坪村が鹿島田村から分村した後に勧請されたようだ。 当地旧市ノ坪村の鎮守社で、大正五年市ノ坪にあった第六天社を合祀している。

　東急東横線｢元住吉｣駅下車。駅前の線路沿いの参道を100mほど進むと左手にある。

鳥居(明神鳥居型)

拝殿

神額｢住吉神社｣

　この神社は元矢倉神社と称していたが、明治四十二年、村内鎮座の天照皇大神宮(木月字伊勢町2274番地鎮座)･八幡神社(八幡町1633)･子ノ神社(田中1908)･八雲神社(天王森1099)･春日神社(春日町1976)･天満神社(中ノ町813)･白山神社(上ノ町996)･稲荷神社(稲荷町739)･諏訪神社(諏訪町1302)･神明神社(上ノ町1035)の10の神社を矢倉神社(木月字矢倉407鎮座)に合祀し当時の村名をとり、住吉神社と改称した。 矢倉神社の創建年代は詳らかではないが、寛永十五年に社殿造営の記録が残っているので江戸時代より前であることは確かだ。
　大正末まで奥殿は瓦葺、拝殿は茅葺であったが、昭和初頭に拝殿を亜鉛葺にし、昭和三十四年、現在の社殿に建替えられた。

　JR東海道線｢川崎｣駅下車。西口のラゾーナ川崎の裏手にある。

鳥居(明神鳥居型)

拝殿

神額｢女躰大神｣

　創建年代は不詳。当地は大田区六郷の農民が移住して開拓したが、多摩川の度重なる氾濫に悩まされていた。そんな中、ある氾濫の際、一人の女丈夫が一身を投じてその氾濫を鎮めたと云う。 その後、大きな災害が無くなったので、大いに其の徳を慕い、壮烈なる行為を後世に永く伝えるため多摩川縁の俗称｢にこにこ松｣の下に一祠を建て其の霊を祀ったという。 その後、現在の位置に移し遷祀している。
　祭神は伊邪那岐命(いざなぎのみこと)と伊邪那美命(いざなみのみこと)を祀る。